2022 Fiscal Year Research-status Report
Verb-argument agreement observed in Malay varieties based on parallel corpus data
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20K00599
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
塩原 朝子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (30313274)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 言語学 / コーパス / インドネシア語 / マレー語 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度もコーパスへのタグ付作業を継続した。特にMax Planck Instituteの言語アーカイブから公開されているパプア・マレーのコーパスへのタグ付けを集中して行った。さらに諸変種を分析する際の基準点となるジャカルタで話されている口語インドネシアと標準的インドネシア語のコーパスを整備する作業を行った。7月にインドネシア・マカッサルにおける現地調査を計画していたが、その時点でCOVID-19の感染状況が改善していなかったため、実行しなかった。さらに先行研究により、一致の発達が観察されている非標準変種の一つ、パプア・マレーについてMax Planck Instituteの言語アーカイブから公開されているコーパスの精査も行った。 口語インドネシアと標準的インドネシア語のコーパスに関しては、主要項である動作主を表す要素と動作の対象を表す要素の属性を網羅的に把握するためのアノテーションを行った。 上記の作業の一方で派生する研究としてマレー語の発話動詞における一致に関わる通言語的研究を行った。古典マレー語において発話動詞の語根形に人称クリティックが後続する形が直接話法を導入する規範的な形として用いられていたが、18世紀後半から発話動詞の派生形がその形式に代替されるようになり、従来の語根+クリティックという形は引用マーカーのような形で引用部分に後続するようになった。この変化の過程についてコーパスを用いて検証する研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コーパス整備が順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度まで進めてきたコーパス整備に一区切りをつけ、一致に関わる現象の分析を開始する。特にジャカルタで収集したインドネシア標準語・口語データを基準点とし、パプア・マレーおよびマカッサルで話されているインドネシア語データを分析する。パプア・マレーについては動作主を表す要素の一致が文法化しつつあることが知られているが、コーパスを精査することによりその文法化の詳細を明らかにする。
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Causes of Carryover |
当初予定していた海外出張ができなかったため。
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