2020 Fiscal Year Research-status Report
言語と音楽のインターフェイスの立場から、韓国3方言のプロソディーを探る
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20K00602
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
斉木 麻利子 金沢大学, 国際機構, 教授 (00195968)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 韓国語 / ソウル方言 / 慶尚南道方言 / 全羅南道方言 / プロソディー / 伝統音楽 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は,過去17年間,「言語と音楽のインターフェイス」という観点から,多々の言語文化に観察される伝統音楽中,特に,「となえうた(Chant)」および「わらべうた(Children’s Play Song)」の形式を調査することにより,言語研究を行ってきた。その究極の目的は,上記の手法を用いることにより,新たな言語の類型を提案することにある。 本研究はこの研究の一環として実施するものであり,対象言語としては,韓国語の「ソウル方言」,「慶尚南道方言」,並びに「全羅南道方言」とする。具体的には,本研究は,「となえうた」中,「呼びかけチャント(Vocative Chant)」の分析を基に,これら3方言のプロソディーの真の姿を追求し,さらにはその成立要因を言語内外に求めていくものである。 研究計画としては,2020年度には,文献資料収集の収集により,「全羅南道方言」の伝統音楽におけるメロディーとリズムの特徴及びこの方言の言語学的特徴(特に韻律的特徴)を調査し, 言語側と音楽側で共通する部分と相反する部分を明らかにすること,またこれを,「ソウル方言」および「慶尚南道方言」の場合(すでに調査済み)と比較し,さらには,中期(中世)韓国語の言語学的特徴(特に韻律的特徴)を調査する予定であった。 しかしながら,2020年度は,研究環境の変化等の理由にて,十分な時間を費やし作業を行うことがならず,主に「ソウル方言」と「慶尚南道方言」の過去の調査結果をレビューするのに留まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の2020年度の目標は,(i)「全羅南道方言」の伝統音楽におけるメロディーとリズムの特徴およびこの方言の言語学的特徴(特に韻律的特徴)を調査し,言語側と音楽側で共通する部分,また相反する部分を明らかにすること,(ii) その結果を「ソウル方言」および「慶尚南道方言」の場合と比較すること,そして,(iii) 中期(中世)韓国語の言語学的特徴(特に韻律的特徴)を調査すること,の3点であった。しかしながら,2020年度は,新型コロナウイルスの蔓延下,研究環境に制約が生じざるを得なかったこと等の理由により,十分な時間を費やし作業を行うことがならず,主に,前年度までに調査済みであった「ソウル方言」と「慶尚南道方言」の研究結果を再確認することに限られてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では,2021年度には,(i)文献資料収集と調査・分析を継続しながら,過去数十年間における「慶尚南道方言」の韻律的変化とその要因を探ること,また,(ii)韓国全羅南道木浦市にて,「全羅南道方言」のネイティブ・スピーカーよりVCの音声データ収集を行い,この方言における「呼びかけチャント」の形式を精査すること、の2点を予定していた。 しかし,2020年度研究の進捗状況が芳しくなく,遅れを取り戻す必要があるということに加え,2021年5月現在,我が国だけではなく韓国においても新型コロナウイルスの状況の変化に見通しがつかない状況でもある。 したがって,2021年度には,2020年度に計画した作業も同時に進めていく。特に,「全羅南道方言」の音声データ収集に関しては,新型コロナウイルスの状況によるものだが,実施のために,オンラインでの作業実施の体制を整える。
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Causes of Carryover |
次年度使用額(B-A)である500,000円が生じた理由は,新型コロナウイルス蔓延の状況下において,研究環境に長期間の制約が生じたこと等によるものである。 この経費は,2020年度の作業の遅れを取り戻しながら,次年度に計画した作業を実施するための経費として使用したい。
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