2022 Fiscal Year Research-status Report
言語と音楽のインターフェイスの立場から、韓国3方言のプロソディーを探る
Project/Area Number |
20K00602
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
斉木 麻利子 金沢大学, 国際機構, 教授 (00195968)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 韓国語 / ソウル方言 / 慶尚南道方言 / 全羅南道方言 / プロソディー / 伝統音楽 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究実施担当者の最終目標は,言語文化内に観察される伝統音楽中, 特に「となえうた(Chant)」および「わらべうた(Children's Play Song)」の形式を調査することにより, 「言語と音楽のインターフェイス」という観点から, 新たな言語の類型を提案することにある。 そして本研究は,その一環として実施するものであり, 対象言語としては,韓国語の「ソウル方言」, 「慶尚南道方言」, 「全羅南道方言」とする。具体的には, 本研究では,「となえうた」中, 「呼びかけチャント(Vocative Chant)」の分析を基に, これら3方言のプロソディーの真の姿を追求し, さらにはその成立要因を言語内外に求めていくものである。 当初の研究計画では,本研究最終年の2022年度においては,新型コロナウイルス感染症の状況下の前年度までに実施することができなかった作業である,韓国全羅南道における「全羅南道方言」のネイティブ・スピーカーからの,「呼びかけチャント(Vocative Chant)」の音声データ収集を実施する予定であった。 この作業は本研究にとって必要不可欠なものであるにもかかわらず,2022年度も多々の要因により実施することができず,また,前年度同様に文献収集も遅延してしまった。その結果,2022年度の研究内容としては,「ソウル方言」及び「慶尚南道方言」の過去における調査結果の再確認作業を行うのみに留まった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究には、(i)文献資料収集と調査分析に基づき,韓国「慶尚南道方言」の韻律的変化とその要因を明らかにすること,また,(ii)韓国全羅南道において,「全羅南道方言」のネイティブ・スピーカーより「呼びかけチャント(Vocative Chant)」の音声データを収集することが必要である。2022年度には、新型コロナウイルス感染症の状況は改善してきたものの、大学業務との調整がつかないことから渡航の見通しが立たず、肝心な(ii)の作業をすることができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究には,韓国全羅南道において「全羅南道方言」のネイティブ・スピーカーから「呼びかけチャント(Vocative Chant)」の音声データを収集し,分析することが必須である。また,先の3年度間における研究の進捗に大きく遅れが生じており,これを取り戻す必要もある。 2023年度には,データ収集を大きなタスクとし,最終年度の研究総括を実行する。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額(B-A)である1,100,000円が生じた理由は,前年度とまでと同様に、新型コロナウイルス感染症の状況に改善が見られたものの,その影響は依然としてあり,調査環境に制約が生じたこと等によるもので ある。 この経費は,前年度までの作業の遅れを取り戻しつつ、本研究の最終年度に計画した作業を実施するための経費として使用したい。
|