2021 Fiscal Year Research-status Report
A cross-linguistic study of pragmatic inference in noun-modifying constructions with relational head nouns: With particular attention to Japanese and Korean
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20K00603
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀江 薫 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (70181526)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 相対名詞 / 名詞修飾節 / 語用論的推論 / 日韓語 / アルメニア語 / 中国語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、日韓語の相対名詞を主要部とする名詞修飾節に関して、表面上の類似性にも関わらず、言語化を伴わない語用論的推論による補正をどの程度駆使するかに関して一貫した相違が見られる。具体的には、日本語はコードの経済性(economy)とも言うべき、言語表現の省略、縮約傾向が見られる。一方、韓国語はコードの冗長性(redundancy)とも言うべき、意味を明示するために言語表現を必要なだけ、あるいは必要以上に補填する傾向が見られる。名詞修飾節における日本語のコードの経済性は、「連体形と終止形の同一化」という歴史的な変化とも密接に関連していると考えられる。日韓語の対比に、アルメニア語を加えるとさらに興味深い言語間比較が可能になる。アルメニア語は、インド・ヨーロッパ語族の言語であるが、空間・時間に関係する相対名詞を主要部とする名詞修飾節に関して、言語化を伴わない語用論的推論による補正が可能な場合があることが確認されている。また、本年は中国語の相対名詞主要部名詞修飾節に関しても研究を着手し、その一部を発表した。本年度は、後述するように、共著書、論文、招待講演、口頭発表において研究成果を発表することができた。本研究成果は国際言語類型論学会(ALT)の発表に現在応募中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
書籍出版(1件)、論文発表(2件、うち1件は印刷中)、招待講演(国際1件、国内1件)、口頭発表(国内1件)などの成果が上がっており、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本年限定した範囲で考察した中国語の名詞修飾節をこれまでの3言語に加えることで更にきめ細やかな言語間比較を目指したいと考える。
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Causes of Carryover |
昨年度は新型コロナウィルスのため当初予定していた海外出張が中止となり、国内の学会もすべてオンライン開催となったため一部予算が執行できなかった。本年は学会も対面開催の可能性があるほか、関連分野研究者との研究打ち合わせのため次年度使用額を充当する計画である。
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Research Products
(13 results)
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[Book] 言語類型論2021
Author(s)
堀江薫・秋田喜美・北野浩章
Total Pages
260
Publisher
開拓社
ISBN
978-4-7589-1412-3