2023 Fiscal Year Research-status Report
機械学習を用いた日本語アクセント自動評価技術の検討
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20K00610
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
波多野 博顕 筑波大学, 人文社会系, 助教 (10709364)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 日本語アクセント / 機械学習 / 音声自動評価 / ウェブアプリケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、引き続き学習者音声の音響分析を進めるとともに、音声評価のウェブアプリケーションについて実装の検討を行なった。 学習者音声の分析では、収集された発話データに対して日本語母語話者の聴取に基づいたアクセント型の判定作業を行なった。この作業によって機械学習における「正解ラベル」が得られ、また、音素境界のアライメント作業も進んだことにより、教師あり学習用のデータセット整備が進んだ。これまでの2・3モーラ語に加え4モーラ語も整備したため、さらに多くの発話が分析対象となり、より一般性の高い結果が得られる環境が整った。 音声評価のウェブアプリケーション実装検討では、モデル音声に重ねるように発話する「オーバーラッピング」という練習法を参考に、モデル音声と学習者発話の音響特徴を比較してグラフやスコアを提示するアプリケーションを共同研究者とともに開発した。このアプリケーションは、筑波大学日本語日本事情遠隔教育拠点のホームページ上で公開されている。母語話者のチェックに依らず音響特徴のみで評価されるため、海外を含めた日本語学習者にとって自律的に音声学習を進めるためのツールとして今後の発展が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学習者音声データの基礎的研究だけではなく、音声評価について実際にウェブアプリケーションとして公開できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
音声評価アプリケーションについて、更に内容・機能を充実させるとともに、この科研での研究を論文にまとめて研究全体を総括する。
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Causes of Carryover |
ウェブアプリケーションの開発にあたって、所属組織からの予算が使えることとなり、その分で想定していたものが未使用となったため。本年度では、アプリケーションの広報や研究総括のための学会発表・論文執筆に注力して支出する予定である。
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