2022 Fiscal Year Research-status Report
A study of language documentation with development of a text-based database system for long-term use and maintenance
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20K00619
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
大矢 一志 鶴見大学, 文学部, 教授 (80386911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 智香子 北海学園大学, 工学部, 教授 (50466728)
長崎 郁 名古屋大学, 人文学研究科, 特任講師 (70401445)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 言語ドキュメンテーション / ユカギール語 / セリクープ語 / イテリメン語 / text-based database / MUMPS / MongoDB / Digital Humanities |
Outline of Annual Research Achievements |
3年計画の3年目であるR4(2022)年度では,研究計画書に挙げられている(a)言語ドキュメンテーションの実践,(b)動向調査,(c)データ構造の検討,(d)デジタル環境選定,(e)デジタル環境構築,(f)データベース利用環境構築のうち,昨年度から本事業を3年計画から4年計画へと変更した際に再調整された(a)(b)(d)(e)が活動計画とされていた.
(a)の言語ドキュメンテーション活動は,コロナ禍に加えウクライナ戦争の影響によりロシア国内でのフィールドワーク活動は実施できなかったが,これまでのフィールド調査で得られていた言語資料の整理には勢力的に取り組み,十分な成果を得ることができた.(b)の動向調査は対面開催での3つの国際学会に参加し,想定以上の情報収集に成功し,今後の研究方針を左右する重要な情報を得ることができた.(d)のデジタル環境選定と(e)のデジタル環境構築では,言語資料のデジタル環境を支援するPythonパッケージを国際学会で発表し,一定の評価を得ることができた.また,文書型データベース(MUMPS, MongoDB)の利用環境を構築し,Node.jsならびにPythonでの利用環境も用意できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の報告書にあるよう,本事業を3年から4年計画へと変更し,フィールドワークを含む言語ドキュメンテーション活動の充実と,コロナ禍で実質上停滞していた海外動向調査の充足を目指し,2022年度と2023年度にこれらを継続的に実施,デジタル環境構築では海外動向調査を実施した後に(f)の利用環境構築を2023年度に取り組むとしていた.結果,2022年度は,フィールド調査は実施できなかったものの,言語資料の整理は大きく進展した.また海外動向調査では,コロナ禍の2年間の熱意ある多くの活動報告に触れることとなり,日本の雰囲気とは真逆の状況,すなわち研究活動はコロナ禍にむしろ活発になっていた事実を知り,情報収集や成果発表という直接的成果に加えて,自らの発表により少しばかりでも日本人の国際的研究活動への貢献に寄与できたことを計画にはない副次的成果として評価したい.デジタル環境構築については,LREC2022においてまとめたデータ形式および文書型DBであるMUMPSとMongoDBの環境構築の実践経験から得られた知識と,参加した3つの国際会議で共通して見られた「データ保存への危機感」から,言語ドキュメンテーションの視点だけではなく,デジタル化された図書館・文書館・博物館(LAM)という人類の知的資産の電子化というより広い視点で問題を俯瞰的に検討した結果,解決の大きなヒントとなる可能性の成果を得ることが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
4年計画へ修正した最終年となる本年度は,引き続き言語ドキュメンテーション活動と海外動向調査に取り組む.また,(f)のデータベース利用環境構築として,文書型DB(MUMPS,MongoDB)を実際に言語研究者が使用する環境整備に取り組む.
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Causes of Carryover |
2021年度の報告書にもあるよう,期間3年の当初事業計画を,コロナ禍により4年計画へと変更したことに伴うもの.
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