2020 Fiscal Year Research-status Report
物語創作からみる子どものことば・表現の年齢・経年変化に関する研究
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20K00648
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
椎名 渉子 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (70765685)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 言語行動 / 談話分析 / 幼児語 / 子どもの語り・談話 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、園内研究会における園児の談話の分析によって、子どものことばの習得やその変化を園内での表現活動という相互行為のなかでどのように実現されているのかということを明らかにするものである。また、言語学的側面からだけではなく、保育学的側面から養育者(本研究においては幼稚園教諭など)の子どもに対する言葉がけ、また、子ども同士のコミュニケーションが年少・年中・年長の過程でどう変化するのかについても見ていくものである。 具体的には、「子どものことば」を「子ども自身が発する語・表現、及び、子ども自身が大人(保育者)の参与によって発する語・表現」と定義し、物語創作における子どもの語り(発話内容)の経年変化の実態を解明する。 具体的には、次の観点から研究するものである。 [1] 物語創作内容の分析;子どもの話す物語創作内容の言語行動・談話論的分析 [2] 物語創作活動の分析;子どもの話す物語創作を引き出す役割を成す保育者と、創作内容に反応する聴衆としての子どもの発話を相互行為として捉えた言語行動・談話論的分析 2020年度は前年度に引き続き、調査対象となっている園での園内研究会における教諭と園児の談話収録を3回実施した。また、2019年度中に収録した教諭と園児の談話を文字化し、データ整理を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、調査対象の談話収録と文字化作業を進めているところである。これは、本研究課題の目的である「日本語における子どものことばを対象とし、子どもの語り(発話)の経年変化の実態について、表現法的・談話論的観点から解明する」ための軸となる作業であり、まずはここをしっかりと固めたうえで分析作業に進みたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
収録・文字化したデータを、研究実績の概要に述べた[1][2]に挙げた観点から次の(a)(b)を捉えることである。 (a)年少組→年中組→年長組という長期的視点から子どもの語りの経年変化の実態の考察 (b)相互行為としての物語創作活動:保育者のことばがけ、話し手側、聞き手側、といったことばがけの多面的考察 これらについて、まずは(a)の内容について分析し、論文化へつなげていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナのため関連学会参加や旅費に研究費を使用できなかった。
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