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2023 Fiscal Year Research-status Report

言語と音楽の接点における英語の好韻律性具現に関する実証的研究

Research Project

Project/Area Number 20K00662
Research InstitutionMie University

Principal Investigator

服部 範子  三重大学, 人文学部, 名誉教授 (00198764)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywords英語 / 音声 / リズム
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、2022年に発表した論文で取り挙げた10曲のうちの9曲に新たに7曲を加え、英語を原曲とする明治唱歌合計16曲について、言語間のリズムの相違を客観的に示す手段の1つとして提唱された標準化配列間変動指標(nPVI)を用いて、原曲と唱歌のリズムを数値化して比較し、通観した。
日本語に翻訳されても原曲と同一の歌とみなされるためには、音符の配列が同一であることが理想であるが、もし音符の音価に違いが生じたとすると、それは日本語のリズムの特徴が反映されたのではないかと考えられる。先行研究より、英語の発話の母音nPVIは日本語の発話のそれより大きいことが示されているので、英語の原曲のnPVIは、日本語に翻訳された唱歌のnPVIと同値、あるいは英語のnPVIのほうが大きいという仮説を立て、検証した。
英語の原曲のうち2曲については2通りの楽譜が存在し、どちらが原曲のものが決め手に欠いたため、2通りの楽譜のnPVIを算出した。結果、16曲のうち明らかに仮説に反したのは1曲のみであった。仮説に反した理由として、音楽学や音楽教育学の文献で指摘されている、子どもが好む既存のリズムの転用という言語外的理由を採用した。
2022年に取り挙げた唱歌1曲について、明治ではなく昭和時代に入ってから翻訳された版を扱っていたのでこれを改め、新たにnPVIを算出した結果、仮説を支持することを明らかにした。この1例が明治期の翻訳では仮説を支持し、昭和の翻訳では仮説に反した理由について、英語の歌に関するテクスト・セティングの制約が関与することを指摘した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度のテーマについて、関連する分野の全国大会において口頭発表し、学会参加者からフィードバックを得ることができた。

Strategy for Future Research Activity

補助事業の目的をより精緻に達成するため、口頭発表した内容をさらに発展させた論文を執筆し、学会誌に投稿する予定である。

Causes of Carryover

学会出張のための経費として予定していた旅費について、新型コロナウィルス対策でオンライン開催が続いたため、次年度使用額が生じた。
文献購入および成果発表に充当する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 英語を原曲とする明治唱歌のリズムについてー標準化配列間変動指標を用いた分析―2023

    • Author(s)
      服部範子
    • Organizer
      日本音声学会2023年度(第37回)全国大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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