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2023 Fiscal Year Research-status Report

機能範疇を伴う依存関係の包括的研究:「構造」「意味」「語用」の観点から

Research Project

Project/Area Number 20K00670
Research InstitutionHosei University

Principal Investigator

小畑 美貴  法政大学, 生命科学部, 教授 (80581694)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中尾 千鶴  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (90795642)
谷 智子  東洋大学, 情報連携学部, 助教 (80638205) [Withdrawn]
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywords併合 / ラベル / 素性 / 格付与 / インターフェイス / 削除現象
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、母語における「構造構築及び言語使用の仕組み」を明らかにする為に、特に以下の2点に関して研究を行うことにある。①機能範疇を伴う依存関係に注目し、構造構築の要となる操作である「併合(Merge)」がどのように統語表示を生成し、その表示がどのように解釈を受けるか解明する。②①の研究成果を、カーボ・ベルデ語を含む多様な言語データによって多角的に検証する。上記の研究目的を達成する為に、2023年度は以下の2点を中心に共同研究を行った。まず、Obata and Nakao (2023)において、併合によって構築された統語表示に対するラベル付けに関して新たな提案を行った。Chomsky (2013)のラベル付けアルゴリズムの下では、TPと(他動詞を伴う)VPはいずれも<phi, phi>という同一のラベルが付き区別することが不可能である点を指摘し、一致現象の細かなタイミングを注視することによって、これらを区別可能であることを示した。更に、このシステムの下では「2段階」での格付与システムが不可欠であることを述べた。また、Nakao and Obata (to appear)では、意味・語用の解釈にも影響を与える削除現象に関して考察した。日本語ではフェイズからの要素の抜き出し後に、そのフェイズ全体(CP)を削除することは出来ないというBoskovic (2014)の主張に対し、Takahashi (2020)ではそのような削除がスクランブリングの場合には可能であることを示している。この問題に対し、「併合操作と削除マーキングのタイミング(順序)の問題である」ことをObata, Epstein and Baptista (2015)に基づき主張した。更に、ラベルのインターフェイスにおける解釈や、併合によって残されるコピーの解釈について議論した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2023年度は研究代表者と分担者とで複数回にわたり共同研究を行うことができ、その研究成果を国際学会で発表し、出版することが出来た。昨年度、分担者が1名減ったことにより、包括的な研究を行う上で若干の修正が必要ではあったが、期間を延長することで、おおむね予定通り順調に研究を行うことが出来ているように思われる。2023年度の研究に基づいて、次年度は更に研究を進めて行く予定である。

Strategy for Future Research Activity

2024年度は主に以下の3点を中心に研究を進めて行く予定である。第一に、Obata and Nakao (2023)において、通言語的に時制句は<phi, phi>ではなくTPというラベルを持たなければならないという帰結、中尾・小畑(2021)においては、焦点移動を含む節はCPではなく<Foc, Foc>のラベルを持たなければならないという帰結を導いた。これらの研究に基づき、24年度は節タイプごとのラベル付けの制約について更にデータの範囲を広げて考察し、体系的な主張を組み立てることを目標としたい。第二に、24年度は本研究課題の最終年度であるので、これまでの研究成果を、新たな言語データによって検証することを考えている。具体的には、カーボベルデクレオールのデータを使用し、発展的な研究に力を入れる予定である。データの収集を新たに行い、これまでの研究成果を再検証することで、本研究課題のまとめを行う。第三に、これまで同様に研究成果の公表を積極的に行う。国際学会や世界的なジャーナルへの投稿を行うことで、研究成果を広く一般に公開し、本研究課題を締めくくる予定である。

Causes of Carryover

主な理由としては、以下の2点が挙げられる。①コロナにより学会が対面開催からオンライン開催になり、当初の予定より旅費を必要としなくなったこと、②2022年度に研究分担者が1名減少したこと。以上が主な理由であるが、2023年度からは、国際学会に対面で参加することができており、また2024年度にはデータ収集の為の海外出張も予定している為、ほぼ計画通りに使用出来る予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Journal Article] Labeling Algorithm Reconsidered: Eliminating the Label <phi, phi>.2023

    • Author(s)
      Obata, Miki and Chizuru Nakao
    • Journal Title

      Proceedings of the 25th Seoul International Conference on Generative Grammar

      Volume: - Pages: 207-212

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Presentation] Rule ordering is free: A case study of extraction out of ellipsis.2024

    • Author(s)
      Nakao, Chizuru and Miki Obata
    • Organizer
      The Annual meeting of the Linguistics Society of America 2024
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Labeling Algorithm Reconsidered: Eliminating the Label <phi, phi>.2023

    • Author(s)
      Obata, Miki and Chizuru Nakao
    • Organizer
      The 25th Seoul International Conference on Generative Grammar
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2024-12-25  

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