2021 Fiscal Year Research-status Report
The Emergence of a derivational suffix -able in Early Middle English
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20K00671
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
児馬 修 立正大学, 人文科学研究所, 研究員 (10110595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内桶 真二 茨城女子短期大学, その他部局等, 教授 (10269285)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 派生接辞 / 生産性 / -able / ロマンス接辞 / ゲルマン接辞 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年(令和2年)度、コロナ禍のため、実施が大幅に遅れていた①初期中英語期における形容詞 able の意味に関する調査②英語本来語の動詞に-able のついたハイブリッドの発掘③名詞+-able と動詞+-able の競合④分析不能なprobableのような用例の調査、の4点すべてに関して、今年(令和3年)度においても、コロナ禍の状況が続いたため、大幅に調査が遅れている。年度当初は緊急事態宣言のため、国内出張が難しく、研究分担者との協議も実施できなかった。 6月に開催された創価大学英文学会春季大会の特別公演にて、2020年度時点でデータ収集が完了しているものに基づいて、上記①-④について考察したことを、本研究の中間発表として公開した。 その後、11月に研究分担者からMiddle English Compendiumのテキストをダウンロードして、それに検索を施して収集した新たな -able派生語のデータを入手したが、そのデータ整理と分析については未着手のため、2022年度に実施する予定である。 なお、形態論理論の研究・考察については、特に「2層理論(two-strata model)」の批判的検討を進めることができた。「2層理論」とは派生接辞 に2種類、すなわち、接辞を付加する際に語基の強勢や分節音の変化を引き起こすI類接辞と、その変化を引き起こさないII類接辞と、2層の接辞があるという仮説で、その理論に関する問題点(批判)に関連する論考を集中的に渉猟することができた。本研究の対象である派生接辞 -ableがまさにこれら二種の接辞の性質・特徴を併せ持っているからこそ、「2層理論」の是非を検討するのに格好の事例であることを再認識した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度とほぼ同様に, 新型コロナ感染拡大防止策の影響により、2021年度内に数回予定していた研究分担者との対面による協議や、他大学図書館においての資料調査は、すべて実施できなかった。さらに、多くの資料・図書を常備している勤務先のオフィスでの調査・研究でさえも、ほぼ年間を通したオンライン授業という勤務形態のため、大幅な制約を受けた。 また、6月末より、重度の難病(肺炎)を患い、1か月の入院とその後の通院治療のため、研究が長期にわたって停滞した(現在も通院治療中)。2022年度も、ほぼ同様の状況が継続されることが予想されるため、今後、大幅な研究計画の見直しが必要と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように、今後も2020-2021年度の状況が続くようであれば、当初の計画における開始期2年の計画が大幅に遅れることは必至であるが、状況が落ち着き次第、研究分担者との対面での討議も可能となると思われるので、本研究の基礎部分である資料調査は何としても前進させる予定である。研究期間の延長は制度的に1年しか認められていないのでその分の延長はとりあえず、年度末に申請して、基礎的な事実調査の部分については、ある程度の完成度を目指したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染防止策(緊急事態宣言など)や長期にわたる病気療養のため、予定されていた研究(すべての国内出張を含めた)が実施できなかったため。
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