2023 Fiscal Year Annual Research Report
英語の脱規範性・変則性を生み出す力を解明するためのフレイジオロジー的実証研究
Project/Area Number |
20K00673
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
住吉 誠 関西学院大学, 経済学部, 教授 (10441106)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脱規範性 / 変則性 / フレイジオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の研究成果概要:(1)英語の脱規範性・変則性を示す新たな言語事実の発掘、(2)これまでの研究年度で蓄積された英語の脱規範性・変則性を示す言語事実を、実証的視点やフレイジオロジーの観点から考察し、発表・公刊したことが挙げられる。(1)については、例えば、how の疑問の意味の希薄化を示す例、原形不定詞を取る構文の拡大を示す例、<have until X to V>というフレーズについて研究代表者が行った過去の研究の結論を修正する必要性を示す例など、多様な言語事実を発掘することができた。(2)については、二重thatを取る現象についての実証的考察を開拓社より共著として出版した。また、英語の脱規範性・変則性を示す例について解説した論文も共著として出版予定である(原稿提出済み)。付帯状況を示す with についての見解の誤謬を closing one's eyes を例に考察し、研究発表を行った。原形不定詞の構文の拡大についても研究発表をする機会に恵まれた。さらに、本研究の中心テーマである脱規範性・変則性を、規範・標準性・方言という観点からとらえなおすため幅広く文献の渉猟を行い、その知見を一般に還元すべく共訳での翻訳書を2024年度中に出版する予定である(原稿提出済み)。
研究期間全体の研究成果概要:本研究課題が解明することを目指した英語の脱規範性・変則性を生み出す力として、表現のフレーズ化、意味の変化、規範性の希薄化といったことを指摘し、本研究課題の目的とするところは十分に達成できたと考える。本研究課題の研究期間全体を通して、(1)脱規範性・変則性を示す新たな言語事実の発掘、(2)そのデータをもとにしたフレイジオロジー的実証研究の公刊は研究計画書の予定通りに進捗した。研究期間全体で、公刊したもの、または公刊予定として原稿をすでに提出したものは計5本、研究発表は4本である。
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