2021 Fiscal Year Research-status Report
Exploring Partial Productivity of Constructions in Conversation
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20K00680
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木原 恵美子 神戸大学, 大学教育推進機構, 准教授 (30611371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱野 寛子 名古屋学院大学, 経済学部, 講師 (50756971) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日本人学習者 / 日本人母語話者 / 構文の学習 / 構文の獲得 / 構文の運用 / 記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトのこれまでの研究実績は主に次の3点である。①翻訳書「言えそうなのに言わないのはなぜか 構文の制約と創造性 」 (言語学翻訳叢書 21)(原書"Explain Me This: Creativity, Competition, and the Partial Productivity of Constructions" Adele Goldberg(著)2019年)を出版した。この翻訳書を出版することで、構文の学習と運用に関する研究課題を研究代表者・研究分担者・研究協力者の間で確認した。②研究代表者・研究分担者・研究協力者で、第22回日本認知言語学会全国大会(2021年9月4日)にてワークショップを行った。( 「構文の学習と部分的生産性の条件付け要因の探索的研究」日本認知言語学会第22回全国大会 Coneference Handbook, pp. 18-30.)ここでは、Goldberg (2019) では用いられなかった日本語母語話者のデータを質的・量的に分析した。その結果、まず、日本語の助数詞の選択に特定の活動の経験量が影響する可能性が明らかになった。次に、子供が「うん」を会話の中で学習する際に、ある話者が直前に発話した特定の形式と、それに続く別の話者の「うん」との間の推移確率を学習していることが明らかになった。最後に、L2英語学習者による会話中の構文の繰り返しについては、L2能力、会話の内容、会話への参加態度によって、繰り返し頻度、繰り返される形式の長さ、語彙レベルが異なることが明らかになった。③Adele Goldberg教授(プリンストン大学)を招聘し、国際シンポジウムを2022年3月25日に開催した。このシンポジウムでは学習者はgood enough 構文を使う傾向があることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトの2年目は、翻訳書の出版(1冊)、ワークショップ発表3件、セミナー発表2件、国際シンポジウム開催(発表4件)を行った。①2021年9月3日に「言えそうなのに言わないのはなぜか 構文の制約と創造性 」 (言語学翻訳叢書 21)をひつじ書房から出版した。この翻訳書の書評が読売新聞 本よみうり堂でとりあげられた。②第22回日本認知言語学会全国大会(2021年9月4日)で研究代表者・研究分担者・研究協力者でワークショップ(研究発表3件)を行った。( 「構文の学習と部分的生産性の条件付け要因の探索的研究」日本認知言語学会第22回全国大会 Coneference Handbook, pp. 18-30.)③神戸大学国際文化学研究科研究推進センター(Promis) (2021年12月1日)でセミナー(発表2件)を行った。( 「言えそうなのに言わないのはなぜかー心理言語学が理論言語学と出会ったらー」共催 神戸大学大学教育推進機構国際コミュニケーションセンター外国語教育セミナー)④2022年3月25日に、Adele Goldberg教授(プリンストン大学)を招聘し、国際シンポジウム(発表4件)を開催した。同シンポジウムには339名より申込があり、Goldberg教授の発表ビデオの再生回数は866回(2022年5月3日現在)に達した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年3月25日に、Adele Goldberg教授(プリンストン大学)を招聘し、国際シンポジウムを開催した時に、学習者は good enough 構文を使う傾向があることが確認された。この観点から学習者の構文の運用について収集したデータを見直して、習熟度別に good enough 構文がどのように異なるのかを確認する予定である。その結果を、最終年度中に発表する予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度に参加予定だった学会(日本認知言語学会)がオンラインで開催されたため発表者3名の旅費(国内)の予算が残った。2022年度は、学習者のデータを見直すため、新たにパソコンを購入し、研究支援員を雇用して、予算を執行していく予定である。
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