2022 Fiscal Year Annual Research Report
Old Norse and Norman French Influences on late Old to early Middle English Texts
Project/Area Number |
20K00685
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
小倉 美知子 東京女子大学, 現代教養学部, 研究員 (20128622)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Old English / Old Norse / Old French / loan words / influences |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度もCOVID19の影響で海外出張は出来なかったが、国内では特に関西大学と広島大学において、研究に必要な資料やアドバイスを得ることが出来た。また、イギリスやドイツの友人達からメールに添付する形で送ってもらい、資料を補うことが出来た。特にロンドン大学名誉教授のJane Roberts博士からの論文は、Old French の13世紀の受け入れを当時の資料による裏付けで証明しており、非常に役に立った。またトロント大学の古英語辞書編集研究所は電子化されていない写本のファクシミリをファイルの形で読ませてくれるなど、非常に協力的であった。これらの資料に基づいて論文をまとめ、国内外でZOOMの形で発表が行えたことは有意義であった。また、現時点で accept されている論文は4編あり、随時公表されることになる。成果をまとめると、Old Norse, Old French 等の借入は語彙のレベルでは以前から認められていたものの、Old Norse は北部方言を通じて、Old French はLatin を通じて受け入れやすい状態に在りながら、書かれた作品のジャンルによって、そのままの形で受け入れられるよりは、よく知られた古英語の類義語・類義表現に頼る傾向があり、Old Norse は Ormulum, Old French はAncrene Riwle によって代表されるものの、その他の作品では限定的であり、14世紀後半を待たなければ「影響した」といえるまでの状態には至っていないことが分かった。 補助事業期間全体としては、古英語と中英語をつなぐ過渡期のテクストを精読した結果、語彙レベル以外の重要な影響として、古英語の特徴である非人称表現と再帰表現がOld Norse, Old French の特徴でもあったことから、それらの統語的特徴を英語が保つ助けとなったことが証明できたと思う。
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