2023 Fiscal Year Annual Research Report
A Diachronic and Synchronic Study of English Tough Constructions and Relevant Constructions
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20K00690
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
久米 祐介 名城大学, 法学部, 准教授 (40645173)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中間構文 / 能格構文 / A移動 / 使役交替 / 特徴づけ制約 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、tough構文の関連構文として挙げた中間構文の調査をこれまでのヘルシンキコーパスに加えEarly English Books Online(EEBO)を用いて調査の範囲を大幅に拡張した。ヘルシンキコーパスと異なりEEBOは構文解析やタグ付けがなされていない代わりに、テクスト数がはるかに多く、量的調査を行うのに適している。 能格構文と中間構文の両方に現れる使役交替動詞breakを調査した結果、使役交替を示すbreakはoftenやsometimesのような頻度を表す副詞に後続される傾向と原因を表すwith句やby句と共起する傾向があることがわかった。前者の傾向はイベントを表す能格構文から主語の特性や属性を叙述する中間構文への変化を捉えるために、重要な示唆を与える。すなわち、頻度の副詞はあるイベントがどの程度生じやすいのかを示し、それは主語の特性や属性を表すと再解釈を直接的に引き起こしていると考えられる。 後者の傾向は能格構文の原因項と中間構文の潜在的動作主の解釈の分析に重要な示唆を与える。具体的には、Levin and Rappaport Hovav(1995)の外的使役と内的使役および影山(2001)の反使役化に基づき、能格構文と中間構文の主語は内的原因であり、中間構文の潜在的動作主は外的原因であると仮定する。この仮定の下では、能格構文は顕在的な外的原因と共起することができるのに対して、中間構文は潜在的な外的原因(動作主)を含むため顕在的な外的原因とは共起できないということになる。したがって、外的原因が顕在的に現れている場合は、中間構文ではなく能格構文だということになる。この区別により、表層的に見分けづらい両構文を分類することができ、能格構文から中間構文への変化をより正確に捉えることを可能とする。今後、上記の成果を順次公表していく。
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Research Products
(1 results)