2020 Fiscal Year Research-status Report
第二言語習得理論に基づくビジネス日本語教材の開発および指導に関する研究
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20K00706
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
向山 陽子 武蔵野大学, 言語文化研究科, 教授 (80619817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村澤 慶昭 武蔵野大学, グローバル学部, 教授 (30515044)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高度海外人材 / ビジネス日本語教育 / タスク教材 / 議事録 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は第二言語習得理論に基づき、高度海外人材育成のために使用するビジネス日本語教育用教材を開発することを主目的としている。真正性の高いタスク教材を開発するためには、まず日本企業、あるいは母国の日系企業で日本語を使用して働く外国人社員が、実際にどのような仕事を行っているのかを知り、就職前にどのような教育を行うべきかを考える必要がある。 そのために、企業で働く大学院ビジネス日本語コース修了生(中国語母語話者)に対し、日本語で行っている仕事内容、仕事に対する困難度、就職前に習得しておくべき知識やスキルなどについてアンケート調査を実施した。その結果、国内で就職する場合と、帰国して就職する場合では、必要とされる能力、スキルについて異なる点があるが、どちらの場合にも、口頭でのコミュニケーション能力が最も重要であることが確認された。また、社外とのメールのやり取り、報告書や議事録の作成、プレゼンテーションなどの負荷の高いタスクを遂行する能力は、特に日本で就職する場合に必要であることが示された。さらに、日本勤務の場合は就職後の経験を通して日本語で仕事をする能力の向上が見込まれる一方、帰国して日系企業で働く場合にはそれが難しいことが示された。したがって、留学生が企業において日本語で仕事をするためには、上記のような職場で必要とされる能力、スキルを在学中にある程度養成しておくことが重要であり、そのための教材開発が必要であることが示唆された。 以上の結果を踏まえ、教材開発に必要なより詳細な情報を収集するために、アンケート回答者の中の何名かに対してインタビュー調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍において本務が多忙を極め、研究に割けるエフォートが不足していたため、当初の計画通りに研究を進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.今年度、大学院ビジネス日本語コース修了生に対するアンケート調査から明らかになったことをビジネス日本語教育関連の研究会で発表した。次の段階として、その内容を見直して調査研究として論文を発表する。 2.日本企業で働く高度海外人材、及びグルーバル企業で働く日本人社員にインタビューを実施し、得られた情報を基にいくつかのタスク教材を作成する。令和3年度中にそれらの教材を教育実践に試用し、その結果を踏まえて、さらに教材の改善を試みる。 3.教材開発のプロセス及び指導実践について、関連する研究会で発表する。
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Causes of Carryover |
研究発表を予定していた国際学会がコロナ禍にあって延期されたため、計上していた旅費が未使用になった。令和3年度も国際学会での発表は不可能なため、その分の予算を教材開発に必要な機材の購入費や人件費として使用する。
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Research Products
(2 results)