2020 Fiscal Year Research-status Report
研究室コミュニケーションのための初級後半レベル日本語教育用教材の開発
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20K00719
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
山路 奈保子 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (40588703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
アプドゥハン 恭子 九州工業大学, 教養教育院, 教授 (00184630)
曲 明 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (60727064)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 研究留学生 / コミュニティへの参加 / 研究上の議論 / 初級後半レベル |
Outline of Annual Research Achievements |
日本語運用力が上級レベルに達していない外国人研究員・留学生の研究上の議論への参加の様相についての分析と、初級後半レベル学習者向けコースのシラバスデザインの検討を行った。 前者については、新型コロナウイルス感染症の流行により新たなデータの収集が困難となったため、2019年度以前に収集した会話データのより詳細な分析を進めた。日本語で行われているゼミに参加している外国人研究員と、その隣席の日本人学生との間で小声で交わされる会話を収録したものを、ゼミ全体の会話進行と併せて分析し、研究員が議論の状況や進行をどのように把握しているか、議論への貢献のためにどのようなストラテジーを用いているか、日本人学生にどのように支援要請をし、どのような支援を得ているかを観察した。その結果は調査報告としてまとめ、現在学会誌に投稿中である。 シラバスデザインについては、研究室に所属し、日本語学習のための時間を確保することが困難な研究員や留学生のニーズに照らし、現行の初級前半コースで使用している教材における学習項目をもとに、各項目の優先度と付加すべき項目について検討を行った。併せて、モデル会話作成のための参考データとするため、工学系研究室に所属する日本人大学院生の協力を得て、研究室で現実に発生しうる様々な場面について検討し、本年度はまず3場面を選定して、これらの場面を想定したロールプレイを行ってもらい、音声データとして収録した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対面でのゼミやミーティング開催に著しい制限があったため予定していた会話データ収集が不可能となった。また初級後半シラバスの検討についても、教室において学習者の反応や習得状況を観察しつつ進めていく予定であったが、2020年度授業が通常と異なる遠隔での実施となったため、実地での観察を伴わない検討となった。
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Strategy for Future Research Activity |
過去に収集したデータの分析と先行研究をもとに、研究上の議論を行う上で有用な言語的知識および社会・文化的知識について検討を進め、指導項目の選定を行う。選定した指導項目によりシラバスを作成し、ゼミで収集した会話やロールプレイによる会話のデータに基づいてモデル会話とタスクを作成する。1時間半・15回の学習時間に適した分量・内容の教材として編集し、試作教材とする。
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Causes of Carryover |
本年度は予定していた研究打ち合わせ等が実施できず、旅費が発生しなかった。またデータ収集も計画通りには進まなかったため、データ整備のための人件費も発生しなかった。
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