2020 Fiscal Year Research-status Report
A Study of the History of Japanese Language Education in Vietnam during World War II: Based on the Japanese Propaganda Magazine
Project/Area Number |
20K00723
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
有田 佳代子 新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (50541752)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 第二次世界大戦期ベトナム / 日本語教育史 / 日仏共同支配期 / 日本プロパガンダ誌 / ベトナムの日本語教育 / Tan A |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1941年から1945年の、いわゆる日仏共同支配期ベトナムにおける日本語教育の一端を、日本語教育史では未使用の新史料であるベトナム語の日本プロパガンダ誌『Tan A(新アジア)』のなかの日本語解説を用いて描き出すことである。 本来ならフランスとベトナムにおいて当該資料の未入手分を探査する予定となっていたが、コロナ禍によって渡航ができず実現していない。一方、『Tan A』に連載された日本語解説の内容目録の作成については、未入手分を除き概要は把握した。しかし、日本語解説執筆者である日本語教師による他の記事やエッセイの分析については、入手分についての翻訳は依然として完了しておらず、引き続き翻訳作業を進めると同時に、未入手分のものを探査したい。この日本語解説の執筆者である日本人日本語教師のひとりが台湾総督府からサイゴンに派遣された可能性が高いが、台湾の中央研究院臺灣史研究所臺灣総督府職員録系統/臺灣史&トウ案系統のオンライン人物検索によって当該の氏名と役職を示すものを複数人確認した。しかし、履歴書等のより詳細を調べるためには渡台して調査する必要があり、次年度の課題とする。 一方、本研究の中心は第二次大戦中のベトナムにおける日本語教育史だが、それを部分的に引き継いでいると思われる1970年代、すなわちベトナム戦争中の南部での日本語教育について、資料収集と関係者へのインタビューを行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
最大の理由は、コロナ禍によって渡航が不能となり、当該史料の未入手分を入手できないことである。
|
Strategy for Future Research Activity |
まずは、当該史料の未入手分を入手したい。 今後はすでに入手している当該史料の翻訳を進めること、そして、その執筆者のひとりである日本人日本語教師(元台湾総督府勤務、共栄会所属)の軌跡をまずは台湾史研究所で見つけたい。 2021年度台湾国立高雄大学2021東語系國際學術研討會(国際学術シンポジウム)および2021年度日本語教育学会秋季大会で口頭発表を行う予定である。 また、『柴田幹夫先生退官記念論集』に論考を執筆する。
|
Causes of Carryover |
予定していた海外調査(フランスおよびベトナム)が、新型コロナによる渡航禁止措置により実行できなかった。 学会大会出席は、やはりコロナ禍によるオンライン大会に変更になったため、東京、姫路、マカオ等への出張旅費を使用しなかった。
|