2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K00724
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
桑原 陽子 福井大学, 語学センター, 准教授 (30397286)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 読解過程 / 縦断的研究 / 中級日本語学習者 / 教育実践論文 / 英語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、中上級日本語学習者の論文を読むプロセスの変化を縦断的調査によって明らかにすることである。読解教育において軽視されがちな、正確に構文を捉えて読むボトムアップ型の読みがどのように行われているのかを明らかにし、どのような読みの困難があり、それがどのように解消されていくのかを記述する。 2021年度は,中上級日本語学習者1名を対象に、論文読解プロセスの観察調査を行った。調査回数は2021年6月から2021年12月まで合計19回である。調査協力者は、教育学を専門とする大学院生で母語は英語である。日本語を読む能力は中級レベルであった。読む対象は、現職教員による授業実践報告である。調査は調査者の研究室で実施した。パソコンやスマートフォンなど普段使用しているものを持参してもらい、普段と同じ環境で読んでもらった。調査協力者の希望で、読む対象の授業実践報告を英語に翻訳することにし、数文ずつ英語に翻訳してもらった。外部モニターに繋いだ調査協力者のパソコンで翻訳を行い、その画面を録画した。調査者は画面で行われる翻訳プロセスを見ながら、なぜそのような翻訳にしたのか、なぜ途中で翻訳を修正したのかなどを質問した。この調査方法は2019年度までの調査方法とは異なるが、調査協力者の翻訳過程を全て文字で確認することができる点で、読むプロセスの観察方法として利点が多いと考えている。 また、2019年までの調査結果と2021年までの調査結果から、教育系論文や教育実践報告の文末で多用される「ていく」が、学習者にとって読みの難しさの要因になっていることが示唆された。そこで、教育実践報告の文末表現の分析を行い、「ていく」の使用状況についてまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
読解過程の観察調査を合計19回実施することができ、読解過程のデータを十分に入手することができた。また、これまでに収集したデータから示唆された教育実践報告の文末表現について分析を行い、論文にまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年に収集したデータの分析を行う。そのために、収集したデータを分析可能な形に整理・加工する。
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Causes of Carryover |
2021年度に研究成果発表のために参加予定であった国際学会が、コロナ禍のために中止となったために、旅費の使用の必要がなくなったことによる。 2022年度の主要な学会はほぼオンラインによる開催予定であるため、旅費の支出はほぼない予定である。追加調査を実施する場合も、オンラインによるインタビューが主になる。そのため、オンライン環境の整備・強化のために、パソコンの購入を計画している。
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Research Products
(1 results)