2021 Fiscal Year Research-status Report
外国人介護労働者の受け入れと日本語教育政策に関する研究
Project/Area Number |
20K00728
|
Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
布尾 勝一郎 立命館アジア太平洋大学, 言語教育センター, 准教授 (90448019)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 秀樹 長野大学, 社会福祉学部, 教授 (40453401)
杉本 篤史 東京国際大学, 国際関係学部, 教授 (60267466)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 外国人介護労働者 / 日本語教育政策 / 経済連携協定(EPA) / 外国人技能実習制度 / 特定技能 |
Outline of Annual Research Achievements |
アジア諸国からの外国人技能実習生や留学生などの増加を背景に、在留外国人数が急増を続けている。それに伴い、外国人受け入れ態勢の整備が急務となっている。本研究では、日本における外国人労働者、とりわけ介護労働者の受け入れと日本語教育政策のありかたを中心に多角的に分析を行い、問題点についての提言を行う計画である。具体的には、外国人介護労働者について論じた国会や中央省庁、新聞の全国紙といった公開資料について分析するとともに、関係者へのインタビュー調査も行う予定である。 研究計画2年目となる2021年度は、EPA(経済連携協定)に基づく介護福祉士候補者の受け入れについて、国会会議録検索システム(https://kokkai.ndl.go.jp/#/)を用いて収集したデータを基に、彼女ら/彼らに対する日本語教育に関する国会での議論について、その特徴の分析作業を行い、関連学会において発表した。その後、2017年に受け入れが決まった介護分野の外国人技能実習生の日本語能力・日本語教育をめぐる議論についても、データ収集・分析を行っているところである。また、法律学の観点からは、外国人介護労働者の言語権についての理論的検討を引き続き行っているが、その前提となる議論として、日本における日本語教育のあり方を言語権という視点から多角的に検討しており、2021年度はその一端について学会発表を行った。これらの議論をふまえて、現在は言語権について日本語教育者側がどのような知識や実践力を持つべきであるか、教員養成の観点からの整理も進めている。最終的に外国人介護労働者および関係者(日本人同僚や利用者、施設経営者など)を含めた言語権という問題提起を目指している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の流行の影響により、資料収集やデータの分析・打ち合わせ、また、介護関係者に対する実態調査の調査設計の検討に支障を来しているため、当初計画よりやや遅れていると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
外国人技能実習制度や特定技能の制度についての分析・研究発表については、今後進めていく予定である。新聞報道や関係省庁の資料の分析に加え、それを踏まえた実態調査も行う計画である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の流行の影響等があり、打ち合わせ旅費、実態調査の準備や実施に関する支出が計上されていない。今後、旅費に加え、資料収集のための書籍購入やデータベース利用、分析ツールの購入、実態調査関連の費用等が生じる見通しである。
|