2022 Fiscal Year Research-status Report
市民性育成のための教室文化論による対話型日本語教室活動の実践研究モデルの開発
Project/Area Number |
20K00734
|
Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
塩谷 奈緒子 東京電機大学, その他部局, 講師 (10409766)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 英雄 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 名誉教授 (80103604)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 教室文化 / 実践研究 / 対話 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画では、本年度は、市民性育成を目指して行われた教室活動データの質的分析、及び、それらのホームページ上での公開を予定していたが、新型コロナウィルスの影響により、計画の大幅な変更を余儀なくされた。 本年度は、まず、前年度に引き続き、日本語教育の分野において「社会参加」や「共生」を目標として行われる教育活動と学習者の「主体化」の関係、また、それらにおける教師の役割に関する文献調査を進めた。また、教育哲学の分野における「教育の学習化」に対する批判的考察や従来の「教授」活動とは異なる「教えること」のあり方、教師論に関する理論研究を行った。昨今は、学習者主体型の教室活動では、教師が「何もしない」ことが「よいこと」のように論じられることも多いが、学習者主体型の教室においては、教師の役割は「なくなる」のではなく、従来の教導的な教育とは「質的に異なる」ものになるものと考える。よって、本研究では、ガート・ビースタ(2018)の他なるものや他者に「さらされること」「語りかけられること」「進行中の「対話の状態」にあること」を主体性として捉え、従来の権威主義的な「統制」としての教授でもなく、昨今進歩主義的と見なされることも多い「完全な自由」としての学習でもない、「第三の選択肢」としての「中断の教育学」(2016)「不和としての教授」などの知見を援用し、ウィズコロナの新しい状況下において新たな実践研究を行い、教室活動の収集と分析を進めた。
ビースタ,G.(2016)『よい教育とはなにか』藤井啓之他(訳)白澤社 ビースタ,G.(2018)『教えることの再発見』上野正道(監訳)東京大学出版会
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスのため、データ収集を予定していた教育実践が実施できなくなり、再度、新たな状況下における教育実践の再設計と新しい教育実践の実施が必要となったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、ウィズコロナの状況下で再設計された新たな教育実践を実施し、データ収集と分析、実践の公開を進める。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で、活動データの収集と分析を予定していた教育実践の内容を大幅に変更する必要性が生じ、新たな状況の下での実践の再設計と再実施が必要となったため。
|
Research Products
(2 results)