2022 Fiscal Year Research-status Report
第二言語ライティングにおけるgood writer養成に向けたコーパス開発
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20K00739
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
長谷川 哲子 関西学院大学, 経済学部, 准教授 (20368153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 良一 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (80325068)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アカデミックライティング / 評価 / 分かりやすさ / 分かりにくさ |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、研究計画の大幅な変更も視野に入れ、研究代表者の既有の作文データをもとにした分析を始めることとした。当初の計画では、複数の大学等の研究協力者に作文データ収集のための調査を依頼するつもりであったが、コロナ禍で状況の改善が見込めない状態が続いたためである。 データベース作成のための基礎的調査として、既有の作文(意見文)データ(国内の大学に留学している学生が執筆した作文データ)をもとに、作文の構成や意見の展開のしかた等、作文執筆プロセスや作文評価に関わると考えられる項目について、作文データの分析を実施中である。具体的には、冒頭文での意見提示の有無、意見文における主張に関わる具体例提示の有無、結論提示の有無、結論導入表現、等である。このような分析を行うことにより、一見内容や主張が類似している意見文であっても、評価の高低を決定づけたり、影響を与えたりする要素を具体的に明らかにできると考えている。いわば、読み手(=評価者)にとっての分かりやすさ/分かりにくさの分水嶺がどこにあり、どのような点に留意すべきか、といった具体的、かつ実践的な内容の解明に向けた作業を続けている。また、その知見を、日本語学習者向けのデータベースとして公開できるよう、学習者が自律的な運用のできる支援ツール構築を見据えた作業を行っている。 さらに、上記の作文データ分析と並行し、第二言語としての日本語ライティングやその評価に関わる研究動向の把握、および関連する文献の収集作業も継続している。現状では、ライティングに関するまとまった研究は、英語を対象としたものが依然として多いが、日本語教育分野での知見の渉猟も続けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍の改善が見込まれず、当初の作文データ収集調査ができず、研究計画の変更を行っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究期間の後半に入るため、新たな作文データ収集ができないことを見込み、既有のデータによる調査、分析作業に方針転換を行う予定である。またその結果として、当初の研究計画よりも小規模なデータベースになることが予想される。
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Causes of Carryover |
当該年度に予定していた研究調査(他機関の研究者を研究協力者とした調査)が実施できなかったため、予定していた研究協力者に対する謝金支払いが生じなかったため。新たな調査研究の協力者を募る計画を策定中であり、その協力者に対する謝金支払いとして支出する予定である。
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