2023 Fiscal Year Research-status Report
第二言語ライティングにおけるgood writer養成に向けたコーパス開発
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20K00739
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
長谷川 哲子 関西学院大学, 経済学部, 教授 (20368153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 良一 岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (80325068)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 第二言語ライティング / 意見文 / 分かりやすさ / 分かりにくさ |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、研究計画の大幅な変更として、研究代表者の既有の作文データをもとにした分析を行った。当初計画で予定していた、学外の作文執筆協力者の募集が困難と判断したためである。 データベース作成のための基礎的調査として、既有の作文データ(意見文2種類:国内の大学に留学している学生が執筆した作文データ)をもとに、作文の構成や意見の展開のしかた等、作文執筆プロセスや作文評価に関わると考えられる項目について、作文データの分析を実施した。分析担当者は、言語教育を専門とする研究協力者1名と、研究代表者である。具体的な分析項目として、冒頭文での意見提示の有無、意見文における主張に関わる具体例提示の有無、結論提示の有無、結論導入表現、突出した分かりやすさ/分かりにくさ等である。こうした質的分析を通じて、一見構成が整っているように見える意見文について、分かりやすさや分かりにくさに影響を与える要素を、学習者にも理解しやすい形で明らかにすることを目的としている。読み手(=評価者)にとっての分かりやすさ/分かりにくさの分水嶺がどこにあり、どのような点に留意すべきか、といった具体的、かつ実践的な内容の解明に向けたコーパス作成を最終目標として、作業を継続している。 さらに、上記の作文データ分析と並行し、第二言語としての日本語ライティングやその評価に関わる研究動向の把握、および関連する文献の収集作業も継続している。現状では、ライティングに関するまとまった研究は、英語を対象としたものが依然として多いが、日本語教育分野での知見の渉猟も続けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍の影響から、研究計画を大幅に変更した。その変更に伴って、研究の最終的な目標設定も変更することとなり、その変更に合わせて研究計画を立て直しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、当初の研究期間の最終年度に当たるが、研究課題の進捗状況が大幅に遅れていることから、研究期間の延長も視野に入れている。上述のとおり、既有のデータによる調査、分析作業に方針転換したため、web公開が可能なデータベースの構築が難しく、小規模なコーパスの試行的開発を今年度の目標とする。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、作文執筆の協力者に対して謝金支払いを予定していたが、謝金支払いを伴う作文執筆調査を中止したため、謝金として予定していた支出がなくなったため。今年度の使用計画として、作文データ分析や資料整理等の作業に従事する研究協力者への支払いを予定している。
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