2021 Fiscal Year Research-status Report
高大連携の英語ライティング指導体制の構築ー高大の教員が協働で行う指導書作成と研修
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20K00764
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山下 美朋 立命館大学, 生命科学部, 准教授 (20779029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 円 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (20328925)
山中 司 立命館大学, 生命科学部, 教授 (30524467)
山岡 憲史 立命館大学, 教育開発推進機構, 教授 (90469114) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 英語ライティング / 高大連携の指導 / ライティング指導書 / 授業実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「英語ライティングにおける高大連携の指導体制」を構築することである。高等学校から大学に繋がる英語ライティング指導を双方の教員が協働で考え、実践する。具体的には、1) 高校から大学へ継続的な指導ができる「英語ライティング指導書」を作成し、その指導案に基づいた授業実践を行う。2) 指導においては、「論理的思考力」を醸成するための指導に焦点を置き、「書く」という行為を通じて生徒や学生が自ら思考し、論理的に表現できる力を養う。3) 1)の指導書をもとに「高大の英語教員を対象としたライティング指導研修」を行う。現場やWeb上のコミュニティーで情報を発信し、多くの教員が効果的なライティング力を伸ばす指導を共に考え、実践する。 2021年度は、2020年度に続き、4つの高等学校で授業実践を行った。具体的には、1) 東京都立南多摩中等教育学校では、物事を客観的に説明するパラグラフ指導方法と教材を高大の教員が協働で構築し、担当教諭が実践に移した。2) 愛知県立明和高等学校では、女性の社会進出をテーマに問題解決型エッセイの指導を行った。ルーブリックを作成し、生徒が指導前後で書いたエッセイを高校教員と本研究メンバーの2名が評価し、指導の効果を検証した。3)兵庫県立三田祥雲館高等学校では、SDGsをテーマに、問題解決型エッセイの指導を行い、数回に渡って本研究メンバー3名が生徒の書いたエッセイにフィードバックを行った。(本実践に関しては、後述する大学英語教育学会JAAL in JACETにて報告した。)。4) 大阪府立高校扇町総合教育高等学校(2022年度から桜和高等学校)では、単元ごとのサマリライティングを行い、一年を通して生徒の書いたパラグラフの変化を見た。年度末には、自分の言葉でパラフレイジングを試みる生徒も見られたが、語彙の間違いなどがあり、今後の指導のための課題となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、先述したとおり4つの高等学校を中心に授業実践を行い、高校教員と大学教員が協働で英語ライティング指導を行う利点について確認した。特に、大学教員は高校現場で行われている指導の実態と困難点(ひとクラスの生徒数が多いため、内容面に及んだフィードバックが行われにくいことや、成績評価のための活動にならざるを得ないことなど。)を知り、大学に繋がるより良い指導を高校教員と共に考える機会となっている。2021年度の実践のうち、南多摩中等教育学校での実践は、事前アンケート実施と分析結果や教員の振り返りの質的データも得て総括的な研究を行うことができた。 三田祥雲館高等学校での実践は、JAAL in JACETで口頭発表し、本学会のProceedingsでも報告した。また、本研究が目的としている指導書作成においては、年度末までに書籍という形でまとめ出版する企画が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、書籍の出版を目指し、夏までの入稿を予定している。その他にも、大阪府立桜和高等学校では、引き続きサマリライティングの実践協力を行うなど、実践指導も可能な範囲で継続する予定である。最終年度の本研究の総まとめとして、2023年2月頃には高等教員向けのライティング指導研修を行い、本研究から得た知見を広く先生方と共有し、高大の教員が協力して高校から大学につながるライティング指導ができるような連携を構築するつもりである。
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Causes of Carryover |
2021年度は、2020年度に続き、新型コロナ感染症のため研修などが開催できず、海外在住の本研究メンバーの渡航ができなかったため、次年度の支出を予定している。また、2022年度は、書籍の出版を目指し、夏までの入稿を予定している。最終年度の本研究の総まとめとして、2023年2月頃には高等教員向けのライティング指導研修を行い、本研究から得た知見を広く先生方と共有し、高大の教員が協力して高校から大学につながるライティング指導ができるような連携を構築するつもりである。この書籍関連出費が見込まれる予定である。
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Research Products
(5 results)