2020 Fiscal Year Research-status Report
MS Word を基盤とした理工系学生対象の外国語教育材料開発環境の構築
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20K00768
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Research Institution | National Institute of Technology, Kumamoto College |
Principal Investigator |
松尾 かな子 熊本高等専門学校, リベラルアーツ系人文グループ, 准教授 (30413876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 豊 熊本学園大学, 商学部, 教授 (80227446)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | コンピュータ利用教育支援 / 英語読解力 / EFL/ESL / テキスト解析 / MS-Word |
Outline of Annual Research Achievements |
現在,英語教育者向けに様々な学習サイトやアプリが提供されているが,ESPを必要とする理工系学生に合わせた教育を行おうとすると,提供されている学習サイトやアプリでは適合しない場合が多々あり,手作りで教材を作成している教員も多い。一般的に,学習者のレベルに合わせた教材作成をする場合は,学習テーマの選択,テキストの難易度判定,分量判定などが必要となる。さらに理解力確認テスト作成,成績管理まで行おうとすると,複数のアプリと煩雑な作業が必要となる。これらの点を踏まえ,本研究では殆どの教員が利用していると思われる MS Word のメニューとして教室での対面型授業およびWebを利用した事前学習・事後学習の双方に対応可能な教材の開発環境を構築し,教員の教材作成に関する手間を省けるようにすることを目指している。 MS Wordのメニューに搭載済みまたは搭載予定の機能は,1)専用ブラウザによるテキスト検索・収集機能,2)テキスト解析機能,難易度解析用辞書作成,3)紙ベースの小テスト問題作成機能,4)事前・事後学習用教材作成補助,成績管理機能,である。 R2年度は,1)総合問題作成支援機能の検討,2)新辞書登録部ユーザインタフェースの設計,3)CEFR-Jの単語リストの追加を行った。 1)は,現在は小テスト作成機能として単独で使用している機能を英語の長文に組み込んだ総合問題へと発展させるものである。2)は教員が新規の辞書,例えば工学系に特化した辞書,医学系に特化した辞書など専門教育関連の辞書を使用する場合に容易に組み込めるようにユーザインタフェース改良を目的としている。3)CEFR-Jは欧州共通言語参照枠(CEFR)を基に日本の英語教育での利用を目的に構築された、新しい英語能力の到達度指標である(投野由紀夫,東京外国語大学大学院総合国際学研究院/教授のグループが開発)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では,3年間を次の6期に分けている。初年度は,(第1期)総合問題作成機能を開発する。(第2期)新辞書登録部ユーザインタフェースを設計する。2年目は,(第3期)類似構文機能を開発する。(第4期)成績関連部の機能を設計し,ユーザインタフェースを設計する。最終年度は(第5期)Web上に公開し,運用実験を開始する。(第6期)公開する。使用者からのフィードバックを参考に,必要に応じて改良・修正を行う。 初年度は,第1期分,第2期分について作業を進めることが出来たため,当初の計画通りに進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の通り研究を推進する。 【令和3年度】 研究実績の概要で述べた通り,本研究計画は3年間を6期に分け研究を推進する。本年度は第3期(令和3年4月~9月)と第4期(令和3年9月~令和4年3月)に該当するので,計画に従って第3期は類似構文機能の開発を進める。第4期は成績関連部の機能を設計し,ユーザインタフェースを設計する。さらに語学教育支援環境のプロトタイプの作成に着手する。 【令和4年度】 令和4年度は研究計画の最終年度であり,第5期目と第6期目となる。現段階では当初の計画通り第5期(令和4年4月~9月)にはWeb上に公開し,運用実験を開始する。その実験で得られた知見をもとに最終の第6期(令和4年9月~令和5年3月)には使用者からのフィードバックを参考に必要に応じて改良・修正を行い,最終版の完成を目指す。
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Causes of Carryover |
(理由)令和2年度に発生した次年度使用額が,そのまま繰り越しとなった。理由はCOVID-19により,学会等の開催延期やオンライン開催により,旅費を使用しなかったためである。また,研究代表者が計画時には予定していなかった遠隔授業の準備・実施や学生への対応等で忙殺され,研究に使用するPCを購入するための検討時間を充分に確保できず,次年度に延期したためである。
(使用計画)令和3年度に開催される外国語教育関連の研究会に出席するための旅費および,研究環境の整備のために使用する計画である。
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