2022 Fiscal Year Research-status Report
Research Project on Plain Languages for Social Implementation
Project/Area Number |
20K00770
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
臼山 利信 筑波大学, 人文社会系, 教授 (50323225)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | やさしい言語 / やさしい日本語 / 言語サービス / 多言語対応 / 地方自治体 / やさしいカザフ語 / やさしい中国語 / やさしい韓国語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「やさしい言語」研究の基盤を構築する第一歩として、従来の優れた「やさしい日本語」研究の成果と蓄積を踏まえて、国内外における「やさしい言語」研究の必要性・可能性とその課題を明らかにすることである。 3年目は、日本の自治体の言語サービスにおける傾向と課題を究明するための基礎研究を継続し、四国や沖縄などの多言語対応状況についての調査を進めた。その結果、在留外国人に必要な言語と自治体が提供するホームページ等の言語がマッチしていないケースが判明した。例えば、2021年6月現在、愛媛県ではベトナム人の在留外国人比率が最も高く3割に及ぶ(29.4%:3,799人/12,931人)。中国語と韓国語は全21市町村のホームページで対応しているが、ベトナム語での対応は2市のみである。 また、フランス語やカザフ語の専門家の協力を得ながら、「やさしい言語」創出に向けた予備的作業として2年目から始めた、弘前大学社会言語学研究室の『地震のことばを知ろう! 「やさしい日本語」で学ぶ100のことば』(2017年改訂)をフランス語とカザフ語に翻訳する試みを行い、語彙・文法・文体の観点から簡素化の課題を検討した。 さらに、カザフスタンにおける「やさしいカザフ語」、中国における「やさしい中国語」、韓国における「やさしい韓国語」の可能性について、当該科研費の研究会を通して検討し、「やさしいカザフ語」は知的障がい者の言語として、「やさしい中国語」は目的(緊急事態、事務手続き、教育等)ごとの言語として、「やさしい韓国語」は「公共言語」(公共機関の公文書の言語)としての社会的基盤をそれぞれ有しており、各国の社会的特性を精緻に整理して「やさしい言語」の構築を目指す必要があるということがわかった。 今年度は、当該研究活動の成果として「やさしい言語」を意識したカザフ語・ロシア語語彙集を刊行することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大がかなりの程度収束したものの、対面授業や組織運営などの業務に予想以上に時間を取られ、調査対象の自治体の訪問や聞き取りインタビューなどのフィールドワークを十分に行うことができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究補助員を有効に活用し、引き続きオンライン等で収集・整理した情報資料の分析・考察に力を入れる。また、新型コロナウイルス感染拡大がほぼ収束し、これまでのような制限が事実上なくなったので、研究を補佐する要員を積極的に活用し、調査対象の自治体の訪問や聞き取りインタビューなどのフィールドワークを本格的に進める。
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Causes of Carryover |
コロナ感染拡大期と5類への移行期における本務校の業務状況変化などにより、予定していたフィールドワーク調査を実施することができず、旅費等の執行が低調となったため。 フィールドワーク調査と研究補助員の雇用、研究学会発表や学術的意見交換の場の拡充、研究資料などの購入などで使用する予定である。
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