2022 Fiscal Year Annual Research Report
Embodiment as a means of speech-context grounding: EFL activity development and conversation analysis using improvisational drama
Project/Area Number |
20K00780
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
三野宮 春子 大東文化大学, 文学部, 特任准教授 (90632406)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 相互行為 / 創造性 / ジェスチャー / マルチモーダル分析 / 即興 / 英語スピーキング活動 / インプロ / 遊び |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、空間共有型の外国語相互行為において、参与者たちが身体化を重要な資源として文脈を創造しては、その文脈と十全に接地した発話を生産する過程について、解明することである。その方法として、インプロ(即興劇)の原則や手法を用いてアクティビティを実施し、収集したビデオ映像から詳細な転記を作成し、実際の相互行為の過程を可視化する。データの転記と微視的分析には、会話分析、とりわけマルチモーダル分析を用いる。 本年度は、主に2つの下位課題に取り組んだ。 1つめは、言語テキストと視覚イメージが相互に食い違う絵カードを開発し、それを利用する学習者がマルチモーダルな資源を用いて創造的にアイディアを生成し表現する過程を理解しようとする課題であった。参与者による発話、指さしやジェスチャー、絵に描かれた人や物との相互作用を分析し、発表を行った。また、研究終了後には、データ収集に使用した絵カードをもとに英語学習者用の絵本を作成し、希望者に無償で提供した。 2つめは、参与者間の空間的位置取りが構造化されるインプロのアクティビティにおける相互行為の分析であった。このアクティビティの参与者たちは、必然的に空間を絶え間なく移動し続けることになり、その動きを正当化するために発話を行った。分析の結果は、外国語アクティビティにおける参与者の身体は、未習熟な外国語を補足するためのジェスチャーに留まらず、相互行為を活性化させる重要な資源であり、積極的に活用するための方策が研究されるべきであることを示唆するものであった。
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