2022 Fiscal Year Research-status Report
Influence of computer assisted high variability phonetic training and shadowing on production of English sounds
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20K00785
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
飯野 厚 法政大学, 経済学部, 教授 (80442169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ウィスナー ブライアン 法政大学, 文学部, 教授 (10440257)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 機能負荷量 / 音声(音韻)カテゴリー / HVPT(高変動音素訓練) / 摩擦音 / 知覚 / 誤認 / 調音 / 代用 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目は、摩擦音の指導および、シャドーイングの効果を探ることに注力した。本研究の前提として、機能負荷量の原則と最小対のとらえ方について実証研究を整理しながら、英語音声指導において摩擦音を扱う意義を確認した。主にスピーチ学習モデル(Flege, 1995)および第2言語知覚同化モデル(Best and Tyler 2019)を援用して、音声カテゴリーの習得パターンにもとづいた音声知覚のメカニズムについて考察した(飯野,2023)。 実証研究として、日本人大学生に対して、8週間、English Accent Coach ver.3(Thomson, 2023)を活用してHVPTによる知覚訓練を施した。対象音 /b/, /f/, /v/, /θ/,/th有声音/, /z/,/sh音/のいずれかが先頭にある1音節の刺激音を聞いて、聞こえた音素記号を画面上で1つ選ぶ課題として、1度に100問の設定で実施した。結果から、音素知覚の伸びでは/θ/において平均20%の有意な向上が見られた。聞き間違え(誤認)のパターン分析からは/f/⇔/θ/、/v/⇔/b/、/th有声音記号/⇔/z/、/b/⇔/v/ など、従来から音声教育で言及されている日本語話者特有の音韻的代用が知覚においても存在することが明らかとなった。 更に、HVPTと並行して通常授業時に発音への意識を高める指導(Concisouseness raising)を交えながら音読とシャドーイングを毎回授業時に繰り返し行う指導を6週間行ったところ、知覚において/f/,/θ/,/z/において有意な伸長が見られた(子音+母音条件)。また、調音においては/f/,/θ/、/th有声音記号/において有意な伸長が見られた。 結果から、英語摩擦音の知覚と調音は、音読・シャドーイングのアウトプットの機会を設けることにより一定の向上が見られることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響により対面でのデータ収集が十分な条件で実施できていなかったことから、分析作業と結果の発表が遅延している。期間を延長して対応したい。
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Strategy for Future Research Activity |
既得のスピーチデータについて、明瞭性、理解可能性、アクセント許容度の観点から人的評価を実施し分析を行う。また、HVPTとシャドーイングが音素の知覚と調音に及ぼす効果を探るため、統制群(HVPTのみ)と実験群に分けてシャドーイング処遇の効果を見る。
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Causes of Carryover |
現地開催が遅れていた本研究の一部を発表するための海外出張旅費。および、データ分析に活用しているタブレットPCを買い替える必要があるため使用する。
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