2020 Fiscal Year Research-status Report
Meaning and Future of Digital Textbooks in Higher Education: The Case of Foreign Language Education
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20K00798
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
アルベリッツィ V.L. 東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 助教 (60630910)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 外国語教育 / イタリア語発音 / MRI / 磁気共鳴画像法 / デジタル教科書 / 音声学 / 教育工学 / 教材設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
高等教育におけるデジタル教科書の有用性・有効性の全体像を浮き彫りにするためには,(1)学習媒体として,優れたデジタル教科書の満たすべき条件,(2)専門知識の養成を目指す大学などにおけるデジタル教科書の意義とその展望,(3)学習意欲を増進させるデジタル教科書・教材を導入したICTを中心とした学習環境の特徴,以上の三点を明らかにする必要がある。このような取り組みを確実に実施するために,研究期間内に【開発】,【実施】,【調査・分析】,【考察・公表】の作業を順次展開し,研究を進める所存である。 研究開始に当たる本年度は【開発】に的を絞り,アムステルダム大学病院耳鼻咽喉科のJochen Bretschenider教授の協力を得て,イタリア人のネイティブが発音するイタリア語の子音・母音のMRI(磁気共鳴画像法)を撮り,発音が添えられている42本の動画を作成した。左記の動画は,報告者がすでに作成したイタリア語発音のアニメーション動画とともに,インタラクティブな練習付きのイタリア語発音デジタルハンドブックにまとめて発表する予定だったが,新型コロナウイルス感染症の流行に伴い,至急,リモートラーニングの環境でアクセスできる限定コンテンツとして公開された。作成したイタリア語の発音法の概要,アニメーション動画,MRIスキャンの動画は,発音とスペルの上達を目指すインタラクティブな練習問題とともに学習者に提供されたが,学習を多面的にサポートするデジタル教材を導入したICT環境のいくつかの特徴を明らかにする上で一光を投じたと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い,報告者のエフォートは学習者が円滑にオンラインで利用できるリモートラーニングの環境構築に注がれていたため,本研究はやや進行に遅れをきたした。その一方で,開発されたデジタルテキストブック向けの個別コンテンツは各学習管理システム(LMS)で利用できるよう,転換し,学習者に提供することができたため,研究次年度以降,学習者から得たフィードバックを元に,改めて本研究の貴重な材料として活用することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍が終息しない現時点において,【開発】にさらなる力を入れて,いつでもどこでもオンラインで利用できるデジタルテキストブックの特徴を活かし,日本人学習者向けのイタリア語初級・中級のデジタル教科書を作成するとともに,タブレット型端末と開発されたデジタル教科書を活用した実践研究の【実施】に移る予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い,予定していた旅費や物品の購入を見合わせたためである。次年度は本研究の実施に当たり,計画通り,購入を予定した物品などに使用する予定である。
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Research Products
(1 results)