2023 Fiscal Year Annual Research Report
Acquisition of English prosody at interfaces and development of visual information-based learning methods
Project/Area Number |
20K00806
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
藤森 敦之 静岡県立大学, その他部局等, 教授 (80626565)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井本 智明 静岡県立大学, 経営情報学部, 講師 (20749296)
Wilson Ian 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (50444930)
山根 典子 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (70319391)
吉村 紀子 静岡県立大学, その他部局等, 客員教授 (90129891)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | プロソディ / 産出 / 理解 / 運動感覚 / ポーズ / 介在効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
プロジェクトの最終年度において、英語プロソディの指導法開発にかかる研究を進めた。1つは英語のポーズに関するものである。言語を話す際の流暢さは速度だけでなく、ポーズの頻度や置かれる場所も重要である。これまでの研究で、英語を学ぶ日本人学習者はネイティブスピーカーよりもポーズの頻度が高く、位置にも問題があることがわかっている。本研究では、教育的介入がこの問題を改善できるかを調査し、Praatを使用した視覚情報より、手の上下運動を伴う発音指導が読み上げタスクにおける節末ポーズの位置の改善に寄与することが示された。 さらに、ボイスオーバーを取り入れた声優練習の効果も検証を行った。声優練習は外国語学習者に人気のプロソディ学習活動であり、特にペアワークが学生の動機と関与を高めるものの、指導法や評価方法は確立されていない。本研究ではPraat音声分析ソフト、オンラインミラーリング、対面ミラーリングの3つの異なる指導法を比較し、音声パターンの改善効果を測定した。結果、全グループで発話速度が向上し、対面ミラーリンググループにおけるピッチ変化の改善が最も大きかった。 これらの研究は、韻律的特徴が手のリズミカルな動きや顔の表情筋の動きといった「運動感覚」と密接に関わっていることを示唆している。 また、新たな調査として統語的な「介在効果」に焦点を当て、日本語を話す英語学習者を対象に、目的語関係節(ORC)の理解および産出に関する調査を行なった。結果、ORCの理解には問題なかったが、ライティングでは能動態で産出できる一方、スピーキングでは受動態で産出する学習者が多数を占めた。この非対称性は、スピーキング活動において、日本語の影響を受けている可能性がある。今後は、関係節の先行詞に見られる焦点としてのプロソディにも注目し、さらに研究を進めていく必要がある。
|