2022 Fiscal Year Annual Research Report
脳科学からみた外国語学習における認知言語学的アプローチの有効性に関する研究
Project/Area Number |
20K00809
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
瀧本 将弘 青山学院大学, 理工学部, 教授 (30269964)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 空間概念 / 抽象概念 / 確信度 / 丁寧度 / 大脳左半球 / 大脳右半球 / 口の開き方 / 対称性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年9月~2022年8月、在外研究でイギリス・ケンブリッジ大学にて科学研究費課題研究を引き続き行った。ケンブリッジ滞在中、日本語以外を母語として英語を外国語として学んでいる3名の留学生を対象に実験を行った。日本では日本語を母語として英語を学んでいる日本人学生を対象に実験を行いデータを収集し、ケンブリッジでは日本語以外の言語を母語として英語を学んでいる学生からデータを収集し比較することができた。両データを統計分析した結果、母語言語を問わず、確信度を指導では空間概念を利用する方法の効果を確認することができた。 研究期間(2020年4月~2024年3月)を通じて日本人英語学習を対象に実験を行い、確信度や丁寧度という抽象概念を外国語学習者に指導する際に空間概念を利用しその指導効果を確認し、その効果と左脳右脳優位性の関係を見出すために口の開き方対称性をみる手法を適用した。英語学習者が話す様子を高解像度カメラで録画し、2次元動画計測ソフトを使用して、指導後に目標表現を発した時の開口時の対称性を解析分析し、右利きの被験者の口の左側が右側より広く開き右脳関与の兆候が見られたが、脳の外側からでは実際に脳の活動部位を突き止めることができなかった。この結果は在外研究中出席した学会にて口頭発表し、また、研究誌にも投稿し研究誌を通じて公表する予定である。本研究で適用した口の開き方の対称性は脳の外側での発生現象で脳とは無関係要因が関与することがあり、脳の内側で発生している左脳右脳優位性やどの部分が活発に活動しているかについてはfMRIを使い脳内の機能画像を撮像し、関心脳領域の全断面機能画像を映し出す必要がある。今後はfMRI実験を通じて空間概念利用外国語指導時の脳の活性部を特定し脳科学的根拠に基づく空間概念利用の外国語指導を学校英語教育を通じて展開させていくことを目指す予定である。
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