2021 Fiscal Year Research-status Report
早期英語教育における「トランス・ランゲージ」アプローチの導入
Project/Area Number |
20K00820
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
植松 茂男 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (40288965)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | トランスランゲジング / アイデンティティー / 英語習得 / ズーム / 帰国子女 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度もコロナ禍が収まらず、当初の計画通りの小・中学校におけるトランス・ランゲ-ジングの導入の効果の検証ができなかった(校地ロックダウン・部外者の教室内立ち入り禁止・遠隔授業の妨げになる研究の忌避)。従って、自らが教鞭を執る同志社大学内でのトランス・ランゲジングによる効果の検証にとどまった。2020年度に同じく同大学生を対象にtreatmentの効果を検証したところ、はっきりとした効果(Nが少ないためp-valueではなく、傾向としての観察)があったため、今回はナラティブ手法を用いて、研究に協力を申し出てきた20名程度の学習者にトランス・ランゲジングの効果、使用頻度などを中心に半構造化インタビューを実施した。昨年度同様、年度の終わりに近づいてから開始した。対面・及びズームを用いてのインタビューで、1名あたり60分から90分である。中には幼少時代からの英語習得の履歴やアイデンティティーの変容に関して話を展開する者もおり、英語習得にとって大変興味深く示唆に富んだ内容になった。それぞれのインタビューごとに、専門の業者にMP3に変換した音源を渡し、トランスクライブをしてもらい、私と本人のチェックも入れて修正確認をしたため、時間がかかり、最終のインタビューは2022年の4月末となった。研究成果を読めば読むほど、コロナ禍が新たなリソースを提供してくれたと考えている。英語習得の方法や英語力の多面性が分かったが、これまで詳細がなかなか得られなかった、「一個人の中の」英語力の変遷や、モチベーションの変化、留学やホームステイがもたらすアイデンティティーの変容などが詳しく聞き取れた。本人もともすれば忘れかけている場合が多いので、正確な時期や場所などは当時の教材や写真などのレアリアを確認してもらい、親等に聞いてもらうことで、triangulationをできるだけ実施した。現在編集中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究期間中にコロナ禍が発生し、収まるのを毎年ギリギリのタイミングまで待っていたが予想以上に長期化した。そのため、当初の計画通りの小・中学校におけるトランス・ランゲ-ジングの導入の効果の検証ができなかった(校地ロックダウン・部外者の教室内立ち入り禁止・遠隔授業の妨げになる研究の忌避)。従って、2020年度、2021年度とも自らが教鞭を執る大学内でのトランス・ランゲジング教授にによる効果の検証にとどまったたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度が本研究課題の最終年となるが、小中学校に於ける授業への部外者立ち入りは現時点(2022年5月)でも、許可が下りず困難である。また1年だけ対象者が変わり、研究に一貫性・継続性が欠落するのも問題と思われる。そのため、本年度も2020年度から継続してきた大学生を対象としたトランス・ランゲジング教授法の検証を継続したいと考えている。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍により、当初に予定していた海外学会への出張等が不可能になったため。本年度は、可能な限り海外学会(ハイブリッドも含む)に於いて発表すると共に、この2年間の研究実践の集大成になるよう勤めるたいと考える。
|
Research Products
(1 results)