2021 Fiscal Year Research-status Report
複合動詞パラメータの心理的実在性に関する実証的研究
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20K00824
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
庄村 陽子 (一瀬陽子) 福岡大学, 人文学部, 教授 (30368881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
團迫 雅彦 北九州市立大学, 基盤教育センター, 准教授 (50581534)
木戸 康人 九州国際大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (30800841)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 第二言語習得 / 複合名詞 / 回帰性 / 複合パラメータ / 結果構文 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本人外国語学習者が当該言語の複合名詞と複雑述語構文を習得する際に、Snyder (2001) によって提案された複合パラメータが関係しているかどうかを検証することである。本研究における本質的な問いは、「複合パラメータが心理的に実在するのか」であり、Slabakova (2002) での調査に基づく主張が他の母語話者でも実証できるのかを検証しようとするものである。 2021年度は日本人英語学習者を対象にした調査の実施を目指して、オンラインでのミーティングをほぼ毎週実施しながら、調査項目を作り上げた。調査項目は「強い結果構文」、「弱い結果構文」、「句動詞」、「複合名詞」の4種類である。研究計画に書かれた3つの言語での実施を踏まえて、スペイン語、ドイツ語のネイティブチェックも受けつつ、調査項目として盛り込む内容を精査しながら進めていった。4種類の調査項目の内、最初の3つに関してはさほど問題無く完成することができたが、最後の「複合名詞」については調査項目が何度も練り直される結果となり、2022年に入った新年のミーティングで完成した項目を破棄し、再度ゼロから作成をやり直すこととなった。理由は、被験者が回帰的に語を併合させてより大きな語 (= 複合名詞) を造り出すことが可能かどうかを問うには、どのような調査項目が最適かどうかという点について最後まで協議を続けた結果、最終結論が変更となったためである。この変更で、年度末に予定していた調査の実施は難しくなり、新年度に持ち越すこととなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述した通り、4種類の調査項目の1つ「複合名詞」に関する調査法が最後まで定まらなかったことに原因がある。年度末に出来上がった項目の作成やり直しを行ったことで、年度末の調査の実施ができなくなり、年度をまたぐ結果となってしまった。しかし、調査項目は完成したので、2022年度には予定通り実施し、遅れを取り戻していけるよう万全を尽くしていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年のプロジェクト初年度はコロナ禍の影響を受け、なかなかスムーズに進捗が出なかったものの、2021年に入ると、オンラインでのミーティングを毎週コンスタントに実施するようになり、お互いの意思疎通や調査項目のやり取り、ディスカッションなどもスムーズに進めることができるようになった。 調査項目の立案の段階ではお互い妥協を許さないという姿勢から、なかなか最終結論に至らず、かなりの時間と労力をかけてしまったことは否めないが、そのプロセスは決して無駄ではなかったと考えている。むしろ研究テーマに関して深く掘り下げる良い機会を得ることができたので、今後はそれを論文としてまとめることで成果を出していきたい。
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Causes of Carryover |
初年度のCovid-19の影響による遅れも含め、他大学での調査や学会発表などが実施できなかったため。しかしながら、調査項目もほぼ完成し、今後調査を実施していく見通しが立ったことから、プロジェクト運営に関する問題はないと考えている。
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Research Products
(6 results)