2022 Fiscal Year Research-status Report
日本人英語学習者の文産出時の統語処理:累積的な統語的プライミング効果の観点から
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20K00832
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
濱田 真由 神戸大学, 大学教育推進機構, 助教 (40828696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横川 博一 神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (50340427)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 統語的プライミング効果 / インプット / 累積的効果 / 第二言語産出 |
Outline of Annual Research Achievements |
円滑で効果的なコミュニケーション力の育成には、語彙および統語処理の自動化が不可欠であり、言語使用者の統語処理プロセスがどのように自動化していくのかを解明することは重要である。しかし、日本人英語学習者を含む外国語学習者の言語産出時の統語情報の処理および学習のプロセスについてはあまり明らかでない。本研究では、日本人英語学習者を対象に、文完成課題および絵描写課題を用いて、統語的プライミング効果の(1)累積性、(2)累積的効果の持続性、(3)産出課題間での転移の観点から検証する。この実験は、日本人英語学習者をはじめとする外国語学習者は、英語母語話者と同様の学習プロセスを経て統語知識の学習を行っているのかについて、明らかにするものである。また、第二言語・外国語の音声および文字コミュニケーションにおける話者の統語構造の検索・引き出しの自動化を目指す研究および教育の発展に寄与するものである。 令和4年度は、日本人英語学習者を対象に、音声によるプライム提示・ターゲット産出による絵描写課題を用い、統語的プライミング効果の(1)累積性について調査を行った。その結果、学習者の文構造知識が宣言的知識から手続き的知識に移行することがわかり、また、累積的プライミング効果も見られたことから、日本人英語学習者も母語話者と同じく、予測エラーに基づく学習プロセスを経て統語知識の学習を行っていることが明らかになった。これらの結果については、研究会で発表を行い、学術論文としても公刊した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、先行研究に基づいた実験刺激文の作成・実験実施・データ分析を行う計画であったが、新型コロナウイルス感染拡大により、実験手法および実験実施期間の再度の検討が必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、心理言語学的実験のために作成した刺激文・実験ファイルを用い、対面および遠隔で、日本人大学生を対象に文完成課題も用いて実験の実施・実験データの集積および分析を行い、異なる産出モダリティを用いた課題間での統語的プライミング効果の転移について検証を行う。得られた結果に基づき、総合的考察を行い、報告書にまとめる。また、これらの結果は学会および研究会で発表を行い、学術論文としても公刊する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により、実験方法・実験実施時期が変更となったため。今後、前述の実験を実施する際の人件費・謝金として使用する。
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Research Products
(2 results)