2020 Fiscal Year Research-status Report
通常学級の英語授業における児童生徒の困難性の分析と支援の在り方
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20K00833
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
大谷 みどり 島根大学, 学術研究院教育学系, 教授 (80533299)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 英語教育 / 特別支援教育 / 困難性 / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「インクルー シブ教育」と「学びのユニバーサルデザイン」のコンセプトを核とし, 通常学級の英語の授業において,様々な特性をもつ子どもたちが抱える困難性と指導上の課題を分析し、児童生徒のニーズに合った支援方法を探ると共に、個々の能力を最大限に伸ばす英語教育の在り方の体系化を大目的 としている。昨年度はコロナのため学校訪問にかなり制限があったが、限られた範囲で授業観察、子どもたちの書字・振り返り解析、教員へのインタビュー等を通し、既存の課題の確認とともに、新たな課題の発見、ニーズにあった支援方法の工夫を試みることが出来た。小学校では、より早い時期での困難性の見取りと対応の重要性を再確認することが出来た。書字については、なぞることについては、あまり課題は見られなかったが、時間がかかること、一から自分で書く場合の困難さが見られた。一方で中学校教員からは、中学校入学時のアルファベット書字のレベルが高く、特に生徒間でかなり揃っていることが指摘された。中学校に関しては附属学校園後期課程で、英語科教員と特別支援教員の協働による試みが続けられ、支援を必要とする生徒にあったオプションの工夫と、オプション等についての子どたちへのアンケートも実施された。また工学系の院生によって開発された語順アプリに現場の教員の声を反映しながら改良を重ね、Appleのアプリとして、広く使える形になった。 海外視察についてはコロナの影響で渡航することは出来なかったが、International Dyslexia Associationの大会にオンライン参加し貴重な情報を得ることが出来た。国内では複数の学会で発表を行った。執筆については「特別支援教育の視点で、どの子も学びやすい小学校英語の授業づくり」(明治図書)を発刊、小学校英語教育学会、児童英語教育学会の記念誌において外国語授業における支援の章を担当した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染のため、計画していた複数国への海外視察が実現出来なかった。また国内の学校訪問も、同じ理由で、かなり制限されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染が収まり次第、海外視察を実現させるとともに、国内で進み始めた実践や研究にも学びながら、対象児童生徒への具体的な支援と効果と同時に、通常の学級全体での取り組みの在り方の検討を続ける。また地域の教育委員会や学校と連携しながら、今年度より実施されたICT機器の活用の工夫に取り組む
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Causes of Carryover |
コロナの影響で、計画していた複数国への海外視察、国内の学会参加はすべて実施できなかったため、旅費の使用が全くなかったため。
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