2020 Fiscal Year Research-status Report
韓国の子ども英語図書館の調査―日本での子ども英語図書館設立の可能性を探る―
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20K00845
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
カレイラ松崎 順子 東京経済大学, 全学共通教育センター, 教授 (40454186)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 英語教育 / 教育格差 / 韓国 / 韓国 |
Outline of Annual Research Achievements |
韓国の子ども英語図書館は、地域の児童の英語学習の場として重要な役割を果たしている。日本でも近年不景気が続き、子どもの教育に十分に投資できない家庭が増え、教育格差ということが問題になりつつある。さらに,小学校で英語が教科化された後には、今まで以上に早期英語教育が盛んになり、英語における教育格差が社会問題に発展する可能性もある。ゆえに、韓国の子ども英語図書館の先例から日本がどのようなことを学べるかを探り、さらに、国際学力比較調査「PISA」の上位の常連国で、図書館の利用率が世界で最も高いフィンランドの図書館にも着目し、韓国・フィンランドの先例から何が学べるかを日本に示唆を与えることが本研究の目的である。しかし、昨年度は新型コロナ感染症の影響で海外に行くことができなかったため、予定していた韓国での子ども英語図書館の調査は実施することができなかった。そのため昨年度は韓国の英語教育や図書館に関する文献収集を主に行った。 また、日本の中で教育格差が最も問題となっている沖縄県の教育格差の現状について調べた。その結果、沖縄県では子どもの相対的貧困率は29.9%となっており,全国では7人に1人が貧困状況にあるのに対し,沖縄県では3人に1人が貧困状況にあることが明らかになった。さらに,「習い事」や「学習塾」に通わせられない割合は,貧困層で約40~50%となっており、このような現状を受けて,沖縄県では「沖縄県子どもの貧困対策計画」に基づき,平成28年4月から様々な対策が行われていることがわかった。 これらの現状を踏まえ、今年度は沖縄県の図書館で韓国で行われているような英語プログラムを行う実践研究を行う予定であり、その準備として研究協力者と研究打ち合わせをZoomで行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外に渡航できないため、韓国での調査を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度もコロナ感染症のため海外渡航ができるかどうかわからない。ゆえに、韓国やフィンランドでの調査はコロナ感染が落ち着くであろう来年度以降に行い、今年度は日本の図書館での英語プログラムの実践研究を主に行う予定である。 一つは教育格差が問題になっている沖縄県の図書館において英語プログラムを実施する予定である。もう一つは、学生ボランティアを活用した図書館での英語プログラムを開発する予定である。ただし、感染状況によっては、具体的なプログラム実施が難しい場合もあると思われる。その場合は図書館での英語プログラムのための教材開発に力を入れていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症のため韓国での調査を行うことができなかったため。 また、学会発表をすべてオンラインで行ったため、そのための旅費などがかからなかったため。
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