2022 Fiscal Year Research-status Report
Roles of WTC in computer mediated communication
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20K00850
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
古賀 功 龍谷大学, 先端理工学部, 准教授 (90528754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 勝幸 龍谷大学, 社会学部, 講師 (00636970)
山口 篤美 名城大学, 外国語学部, 講師 (10749469)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 会話意欲 / 会話に対する自信 / コンピューターを介してのコミュニケーション / 対面でのコミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人英語学習者が英語で会話を行う際に、どのような要因が会話意欲(willingness to communicate: WTC)に影響を与えるかを調査することは、将来自律した英語使用者・英語話者を育成するために重要なことである。この点を踏まえ、2022年度は2名の女子学生と2名の男子学生のコンピューターを介してコミュニケーション(CMC: Zoom)における、WTCの変動に関して調査を行った。方法として、5分間の会話を録画し、終了直後にその録画された会話を見ながら、20秒ごとのWTCの変動についてインタビューを行った。結果として、会話の中で質問されたときに答えられた、話している内容に関して十分な知識があった、会話が途切れそうになった際でも話を続けられた、時にはWTCが向上していた。これらの結果から、英語で会話をさせる際にはある程度両者が知っている内容で、質問を多くさせ、話すことがなくなった際にはトピックを変え、諦めずに会話し続けるよう指導することが重要である。次に、相手の言っている英語が理解できない時にWTCが低下する傾向がみられた。日本人英語話者の特徴として、わからないことに対して明確に言うよう求める行為や自分が理解したことを確認するような行為を実際の会話の場で行うことが非常にまれである。ゆえにこのような行為を身につけさせることが重要であることも判明した。対面とCMCの状況を比較した際にはやはり対面の方が話始めるタイミングや表情・ジェスチャーが理解しやすいので、対面の方が話しやすかったという回答がみられた。今後は2022年度に実施できなかった留学生との会話などを分析し、さらなるWTCに影響を与える要因を質的に調査していく予定である。 2022年度はWTCに関する内容で学会発表を1回行い、研究論文1本が学会誌に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は本学の英語科目部会の委員長になり、2025年度に向けたカリキュラム改革などの新しい業務が増え、当初予想していたより業務量が増えてしまった結果、本研究課題の現在までの進捗状況はやや遅れてしまっていると認識している。さらに、2023年度も副委員長としての業務があり、22年度と同程度の業務が予想される。そのため、調査協力者を早めに集め、調査を進める必要がある。この点は研究分担者の先生方にも理解していただいているので、23年度前期に調査を実施することは可能だと考えている。 2022年度には1つの調査を実施し、ある程度その分析や結果の解釈ができているので、この調査の結果を学会で発表し、論文にもまとめる予定である。すでに、発表する学会と投稿する学術誌を決めているので、その日程に合わせて発表と執筆は進められる。また、すでに次の調査の方法や手段は考えており、その準備をすでに始めているので、2023年度には本研究課題を遂行できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の前期には昨年度に実施した調査の結果をまとめ、学会発表と論文執筆を行う。同時に調査協力者を募り、インタビュー形式でWTCの変動を調査する。この調査の目的はまずペアリングの効果である。WTCの高い学習者も低い学習者も存在する教室内でスピーキング活動をする際には、ペアを教師が完全にコントロールをすることはできない。しかし、ペアリングの効果を少しでも理解していれば、何らかの手段で最適なペアリングを考えることは可能である。よって、WTCが低い学習者ペア、高い学習者ペア、高い学習者と低い学習者ペアを作成し、どのような効果がみられるかを調査する予定である。日本人同士の会話でWTCの変動を見るだけではなく、留学生との会話におけるWTCの変動を調査することも重要であると考えているため、留学生と日本人学習者の会話におけるWTCの変動の調査も行う。その後は、これらの結果をまとめ、発表・論文執筆を行う予定である。これらは全て、研究分担者の協力も得て進めていく。
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Causes of Carryover |
過去2年間、コロナウィルスの影響で、学会がすべてオンラインになり、旅費の使用が全くなかったことと、調査協力者を募集することもできず人件費・謝礼がなかったことが大きく影響している。しかし、2022年度には対面での学会も始まったので、積極的に参加し、成果を公表したい。 2023年度の使用計画として、調査協力者の謝礼、インタビューの書きおこしを企業に依頼するための費用、学会参加のための旅費、インタビューに必要な機器の整備、などに経費を使用する予定である。
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