2020 Fiscal Year Research-status Report
医療福祉教育系学部の多職種連携のためのブリッジ教育
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20K00853
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
小崎 順子 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 講師 (50760675)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多職種連携教育 / 初年次教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、遠隔授業となったため、対面授業を前提とした活動内容は実施出来なかったが、本研究の目的を踏まえた上で、活動内容の一部を変更し、効果の検証を試みた。以下、主な研究実績を挙げる。
(1)川崎医療福祉学会英文誌に、”Incorporating Interprofessional Education into Language Learning in a Japanese EFL Setting: A Case of Speech Activities”を投稿。これは、研究の一部である英語スピーチ活動についてまとめた論文である。事後アンケート調査より、全体の約7割の学生が同活動について「他学科の人と関わる良い機会になった」と回答、約6割の学生が「他学科の人と一緒に学び合う機会がもっとあれば良いと思う」と回答した。この結果より、英語授業の中で多職種連携を意識した活動を取り入れることの意義や効果について発表した。
(2)大学英語教育学会中国・四国支部研究紀要の特別企画(短報)に、当初予定していた英語スピーチ活動の代替活動として実施した「オンラインを活用した学生間のライティング・ピアレビュー活動」を投稿(2021年3月)。学生が自分の所属学科の内容等について作成した英文を,オンライン上で相互評価する活動内容について報告した。事後アンケートより、学生から「緊張や気恥ずかしさがない」、「他者からのアドバイスや感想等を繰り返し閲覧出来る」といったオンライン上のメリットを指摘する意見が見られたことから、オンライン活動を通しても他職種や他学科に対する理解が深まり得ることを提起した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度の研究計画で提起した課題に対し、複数の掲載論文等を通して一定の成果を発表できてはいるが、当初予定していた対面授業が未実施になった影響から、研究活動計画に若干の遅れが生じている。
しかしながら、本研究の主旨を踏まえた上で、遠隔授業による形態で活動内容を一部変更して実施したことにより、新たな活動形態の可能性について考えるきっかけとなり、「多職種連携のためのブリッジ教育として、基礎教育科目が果たし得る役割と学生主体の学びを取り入れた英語学習のあり方を調査・検証する」という研究目標を多面的な視点から達成する足がかりにもなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度以降は、以下3点の計画を推進する。
(1)令和2度においては、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、対面授業で予定していた活動の中止を余儀なくされたが、令和3年度においては、可能な限り対面授業の形でスピーチ発表及びポスター・プレゼンテーション発表を実施した上で、多職種連携教育及び英語教育の観点より活動内容の成果について検証を行う予定である。(2)それぞれの活動に関するアンケートについては、各項目の精査を行うと共に、データ解釈や考察の妥当性や説得力を高めるべく、特に多職種連携教育やCLILに関連する文献を拡充させる。(3)スピーチ活動、ポスター・プレゼンテーション活動、双方の活動について、多職種連携教育及び英語教育双方の視点から、各々の教育効果について検証し、研究報告としてまとめ、その成果を関連分野の学会や研究会などで発表を行う。また、関連分野の学会誌にも日本語又は英語で投稿する。
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Causes of Carryover |
(理由)大学英語教育学会国際大会への参加を当初予定し、それを見越した上での旅費を予算に計上していたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響により開催が中止となったため、旅費としての使用が無くなった。更に、2020年度に実施した活動の一部を英語論文で発表する予定として、英文校閲費を予算に計上していたが、オンライン授業による大幅な授業内容変更となったため、日本語による実践報告(短報)での投稿となったため、英文校閲費は支出されなかった。
(使用計画)2021年度以降は、2020年度中に執筆できなかった英語論文を学会誌に投稿する計画である。その際、その計画遂行の一助として、2020年度に未使用であった英文校閲費を充てる。また、活動後の事後アンケート結果等、資料データをより効率的に分析出来るよう、カラープリンターを購入予定である。更に、研究関連の書籍購入費用としても使用する予定である。
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