2020 Fiscal Year Research-status Report
学習者の英語スピーキング能力評価方法の開発と実証実験
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20K00855
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
尾中 夏美 岩手大学, 教育推進機構, 教授 (50344627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ダニエル ニューバリー 富士大学, 経済学部, 准教授 (10523954)
PETERSEN JACOB 岩手大学, 教育推進機構, 准教授 (60853546)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 英語スピーキング能力判定 / コミュニケーション能力測定 / LMSでの動画記録管理 / 客観的評価方法 / 評価ルーブリックの構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、Speaking技能評価を目的に発話と英語でのやり取りを動画撮影、そのデータをLearning Management System(LMS) に格納、これを第三者である評価者が評価することで客観的評価を可能とすることを目指す。統一的な評価に資するCAN-DOルーブリック(被験者がどのようなタスクをどの程度こなすことができるかをルーブリック形式にしたもの)を作成し、格納された動画を評価者が観察して被験者の英語Speaking技能の測定を簡易かつ標準化する方法を開発することを目指している。 この研究では大学において多くの学生の英語レベルが当てはまるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のA2からB1レベルのSpeakingの技能に焦点を当て、客観的かつ正確に、英語でのコミュニケーション能力の判定を行えるシステムと評価表を開発することを目指している。これは単に発話の文法的正しさや発音の正確さだけではなく、他者との会話の受け答えやコミュニケーションへのコミットメントも含む。一方的な発話の質評価に留まらず、ジェスチャーなど非言語のコミュニケーションも含むため、全体の動画撮影が重要な役割を果たしており、評価者毎の評価指標のブレをできるだけ小さくしつつ、英語によるコミュニケーション力を総合的に評価するという点で画期的な研究である。 本研究はLMSの動画管理システムを活用した会話テストの運営方法の開発、口頭コミュニケーション力評価のために適切なトピックやレベルに応じた質問形式の開発、公正な形成的評価CAN-DO指標を活用したルーブリックの開発、対話者・評価者としての教員の研修スキームの開発までを一括して扱う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年次ということで研究のゴールとその手法について分担者と意見交換を行なった。手法の構築に関わる内容、その有効性の検証方法、テスト手法の試行の実施とそこから得た知見を次のステップにどのように繋げていけば良いかについて、先行研究や国内外で実施されている面接試験を参照するとともに、研究者自身がこれまでの外部試験官としての経験や国外の試験官研修を受講するなどして、体験的に英語面接試験の実施方法についての知見を得た。 また、この研究の2つ目の核となる被験者パフォーマンスの客観的な評価を可能にする動画撮影の為の機材セッティングや、動画データの管理方法の確立のための実証実験を行なった。コロナ禍のため被験者と面接実施者との間の距離やマスク着用やアクリルボード設置に関わる試行など、申請時には想定していなかった対応も実施した。 CAN-DOルーブリック作成のために、実際の大学生に英語タスクを使用して対話を行ってもらいそのわかりやすさや指示の適切さについてフィードバックを得る作業を実施した。同時に試作のルーブリックを使用して、録画された学生の対話を代表者と分担者が評価し、曖昧さや不正確さがあるかどうか、こちらの意図が評価に十分反映されているかどうかを代表者と分担者が現在協議を重ね繰り返し検証している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の作業がある程度確定した時点で、より多くの被験者に対して実施する。この時点から研究に直接携わらない教員複数名に試作の評価表を使用して録画した被験者の対話を実際に評価してもらい、我々の評価とのギャップを検証するとともにその使い勝手について助言を受け、完成度を高めていく予定である。
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Causes of Carryover |
経費の次年度への繰り越しの内訳として旅費が手付かずとなった。新型コロナ感染症拡大により、参加を予定していた学会のキャンセルやオンライン化により、旅費が使用できなかったことが大きな理由である。
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