2020 Fiscal Year Research-status Report
Universal Design and Differentiated Instruction in TEFL: Addressing the Diverse Needs of All Students -
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20K00856
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
飯島 睦美 群馬大学, 大学教育・学生支援機構, 教授 (80280436)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 英語学習 / 個別化指導 / 学習障害 / インクルーシブ教育 / ユニバーサルデザイン / 学習者特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、全知能的には問題はないものの、様々な学習方法や学習障害、何らかの特性がゆえに困難をもつ学習者、さらに日本語以外を母語とする背景が多様な学習者が在籍する現在の日本の英語教育の現場を研究の場所として、これまでの研究から得た「特別支援的英語教育」に関する知見を活用し、小学校、中学校、高校の複数の英語教員を研究協力者として、さらに本研究に関して先進国諸外国の先行研究を参考として、以下のことを明らかにすることを目的としている。 ①現代日本社会におけるインクルーシブ教育、ユニバーサルデザイン教育、そして個別化指導の定義を再確認し、その必要性と教育的効果を考察した上で、 ②英語教育での個別化指導の先進国である欧米諸国の取組みや諸問題を参考としつつも、日本独自の英語教育改革が進む流れの中で、中学校や高校の通常学級を調査・観察し、教師が全ての学習者の能力を向上させるための具体的な個別化指導を工夫、検討、決定する際に考慮すべき重要な項目、プロセスや方法を、学習者の認知能力の観点(学習者の感覚優位、認知特性など)から考案し、『個別化指導プログラム作成チャート』として提案するものである。 ③さらに、この『個別化指導プログラム作成チャート』を利用して、特に中学校と高校における英文法や英語語彙の導入と定着、small talkを通した論理的な発信の習慣化に向けた言語活動を、実際に介入する現場をパイロットケースとして、個別化指導教材を作成し、データベースとして公開し、広く利用してもらう。 今年度計画をしていた、①の先行研究の見直しについては、順調に進んでいるものの、②の教育現場における調査、観察に関しては、このコロナ禍において学校訪問を見合わせていたため、予定通りに進んでいないのが現状である。2021年度当初から、この遅れを取り戻すために、研究協力者の先生方と相談をして進めている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、全知能的には問題はないものの、様々な学習方法や学習障害、何らかの特性がゆえに困難をもつ学習者、さらに日本語以外を母語とする背景が多様な学習者が在籍する現在の日本の英語教育の現場を研究の場所として、これまでの研究から得た「特別支援的英語教育」に関する知見を活用し、小学校、中学校、高校の複数の英語教員を研究協力者として、さらに本研究に関して先進国諸外国の先行研究を参考として、以下のことを明らかにすることを目的としているため、研究推進者自身が、実際に学校現場に足を踏み入れての、観察および指導を行いながら推進する計画としている。ところが、2020年度当初より、コロナ禍の影響で不用意に学校現場を訪問し、徒に感染拡大の危険を増やすことは絶対に回避しなければならなかったため、若干、当初の計画より進捗状況としては遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に実施計画をしていた、「英語教育での個別化指導の先進国である欧米諸国の取組みを参考としながら、日本独自の英語教育改革が進む流れの中での中学校や高校の通常学級の実態の観察、調査」について、コロナ禍の影響をなるべく受けることなく、完遂できるように、オンライン等で協力者の方々と議論を重ねており、少しずつ実施している。 また、教師が全ての学習者の能力を向上させるための具体的な個別化指導を工夫、検討、 決定する際に考慮すべき重要な項目、プロセス、方法を、学習者の認知能力の観点(学習者の認知特性、学習者の優位な感覚、学習に難しさをもたらす要因など)から考案し、『個別化指導プログラム作成チャート』として提案するために、今年度後半より、昨年度と今年度に調査より得たデータの分析を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ感染拡大の影響で、国内外で開催予定とされていた学会が中止、延期となり、参加でず、出張旅費を使用しなかったことや、データ処理や教材作成に雇用を予定していたが、個人情報を扱うこともあり研究室にて対面で行うべきものであったため、依頼できなかったこと、さらに実際に学校現場を訪問できなかったため、使用する教材作成費用が使われなかったことにより、次年度使用額が生じている。 2021年度において、昨年度できなかった研究計画をオンラインまたは実際に学校現場を訪問せずに、先生方に代わりに実施いただけるような方向で推進している。今後、コロナ状況に関わらず実践可能な研究体制としていくため、予算執行ができていくものと考えている。
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Research Products
(5 results)