2020 Fiscal Year Research-status Report
EMP能力自己評価と連動させたCan-doリスト作成とポートフォリオの開発
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20K00867
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Research Institution | Shizuoka Eiwa Gakuin University |
Principal Investigator |
遠藤 雪枝 静岡英和学院大学, 人間社会学部, 准教授 (70407758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 美穂子 東京医科大学, 医学部, 講師 (30838454)
高橋 寛 昭和大学, 教養部, 准教授 (50306990)
高橋 留美 昭和大学, 教養部, 教授 (60259190)
遠藤 美香 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70242302)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 医学英語教育のためのポートフォリオ / 生涯学習のツール / 自律的・省察的学習者 / Can-doリスト / 英語運用能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本医学英語教育学会が、2015年に「医学教育のグローバルスタンダードに対応するための医学英語教育ガイドライン」を提案したが、このガイドラインは、医学英語教育の必要最低限の目標を提示したに過ぎない。そこで本研究では、実際の医学英語教育に見合うような、1) 研究と臨床の両側面から医学生が習得すべき具体的な英語運用能力を検討し、その到達目標が可視化できるCan-doリストの開発を目的とする。また、2) 医学生が生涯にわたり継続的に自律的・省察的学習者となるために、「医学英語教育のためのポートフォリオ」の開発を目的とする。本研究が目指すポートフォリオは、生涯学習のツールとして、医学部生からレジデントや医師までが自己省察に用いることができるような他に類を見ない独自性を有している。またこのようなポートフォリオの開発は、他の教育用ポートフォリオの開発にも応用可能な発展性のある研究であると考えられる。 これらの目的のために、2020年度は、1)医学英語教育へのニーズ調査を実施する、2)パイロット的Can-doリストを作成し、医学部教員と学生がそれを試用し、その妥当性・実用性を検証する、という計画を立てていた。1)では、昭和大学、東京医科大学、東京女子医科大学等における大学医学部教員や医学生を対象に、「医学部教員等への医学英語教育に関するニーズ調査」を実施する予定だったが、コロナ禍の状況下、思うように調査が実施できなかった。が、東京医科大学からの8件の回答、他大学出身の19名の現役医師からの回答には、有意義な示唆となる回答が含まれていた。これらの回答から、「英語は、①国内外での学会発表,論文作成,研究のために、②外国人との診察・診療や対応のために、③コミュニケーションのために、④最新の情報を得るために必要だ」ということが確認された。これらを踏まえ、パイロット的Can-doリストを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、質的研究と量的研究の双方を用い、合計3か年で行うことを予定しており、その手順は以下の通りである。1)医学英語教育へのニーズ調査を実施する。2)パイロット的Can-doリストを作成し、医学部教員と学生に、医学英語の初回授業と最終授業後に試用してもらい、その妥当性・実用性を検証する。検証法は、試用後、試用者へ質問紙調査を実施する。3)パイロット的Can-doリストを精査(削除・追加・修正・統合)・改良し、改良版試用後、その妥当性・実用性を検証する。4)最終版Can-doリストの同定と、Can-doリストを含む「医学英語教育のためのポートフォリオ」を開発する。5)ポートフォリオ活用による教育効果の分析と考察をする。 2020年度の研究計画は、上記手順の1)と2)であったが、コロナ禍の状況下、思うように調査が実施できなかった。従って、2021年度では、引き続き、昭和大学、東京医科大学、東京女子医科大学他医系大学における大学医学部教員や医学生を対象に、「医学部教員等への医学英語教育に関するニーズ調査」を実施する。(なお、昭和大学における医学部教員220名へのニーズ調査は既に終了している。)また、同時に、ニーズ調査の結果考察を基に、パイロット的Can-doリストを再作成する。そして、再作成されるパイロット的Can-doリストを医学部教員と学生に試用してもらい、その妥当性・実用性を検証する。検証法は、パイロット的Can-doリスト試用後、試用者へ質問紙調査を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況にも記載したが、2020年度は計画通りに進めることができなかったため、2021年度では、引き続き、以下3点のことを実施する。 1.東京医科大学、東京女子医科大学他医系大学における大学医学部教員や医学生を対象に、「医学部教員等への医学英語教育に関するニーズ調査」を実施する。昭和大学における医学部教員220名へのニーズ調査は既に終了しているので、東京医科大学、東京女子医科大学他医系大学における大学医学部教員や医学生を対象に、更なるデータ収集を行う。2.医学部教員等への医学英語教育に関するニーズ調査の結果考察を基に、パイロット的Can-doリストを再作成する(仮に、Can-doリストAと名付ける)。現在パイロット的Can-doリストの項目は約60項目あるが、それを再検討し、再作成する。そして、Can-doリストAを各大学の医学部教員と学生に試用してもらい、その妥当性・実用性を検証する。検証法は、パイロット的Can-doリストA試用後、試用者へ質問紙調査を実施する。3.パイロット的Can-doリストAの開発過程と研究成果を内外の学会で口頭発表または学術論文の形で発表し、他の研究者からのフィードバックを得て、改良を行う。 最終年度である2022年度の計画は、以下の通りである。 1.パイロット的Can-doリストAを改良し、最終版のCan-do リストの作成とその妥当性・実用性を検証する。2.最終版Can-doリストを同定し、国内外の学会での発表を行う。 3.Can-doリストを含む自己学習の成果を記録できるポートフォリオを開発し、国内外の学会で発表する。4.報告書を作成・刊行し、医学英語教育に携わる教員等とのネットワーク作りを行う。
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Causes of Carryover |
2020年度ではコロナ禍の状況下、国内外の学会への参加を取りやめたため、旅費における交通費や宿泊費を使用しなかった。また、病院の臨床医へニーズ調査を実施しなかったため、謝礼も発生しなかった。
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Research Products
(9 results)