2020 Fiscal Year Research-status Report
ICTを活用し大学と語種を越えて行う「初修外国語の授業」の協働研究
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20K00879
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
藤原 三枝子 甲南大学, 国際言語文化センター, 教授 (50309415)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ITC / 協働研究 / 初修外国語 / 教員研修 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大学において始めて学習されることが多い「初修外国語」について、教師の教育能力を高めていくことを目的としている。現在は,情報通信技術(ICT)の発達により,多様なデータを共有し,テレビ会議システムを使って場所を問わずに直接的な対話が可能になった。本研究は,「初修外国語」を担当する教師が,ICTを利用して大学と語種を越えてネットワークを構築し,授業関連データをクラウド上で共有し意見交換を行うことで,「初修外国語」の授業において,言語を使おうとする学習者の意欲の育成に効果的な授業環境を形成するための指針を作成することにある。 2020年度は、研究開始の年として、ネットワークの構築と研究体制の確立の年と位置づけた。その結果、ドイツ語・中国語・韓国語・フランス語・スペイン語・(外国語としての)日本語の6言語、6大学9名の教師による研究を開始した。コロナウイルス感染症拡大の影響により、予定していたチームメンバーの対面による研究会は開催できなかったが、Zoomによる第一回研究会を開催した。また、Dropbox Businessに本科研の研究チームを構築し、クラウド上に研究に参考になるデータをアップし、随時、情報の共有を可能とするとともに、アップしたデータについてメールで意見交換を行った。尚、研究開始にあたり、「ヒトを対象とした研究」を実施するために、所属大学の倫理委員会に申請書を提出し、研究開始の許可を得た。 また、本研究課題のコンセプトをまとめ、所属大学・センターの紀要である『言語と文化』に論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、ネットワークの構築と研究体制の確立の年と位置づけた。研究チーム(6言語、6大学、9名の研究者)を構築し、クラウドサービス(Dropbox Business)の利用を開始した。データを適宜アップし、情報の共有を始めることができた。また、「ヒトを対象とした研究」を実施するために、所属大学の倫理委員会に申請書を提出し、研究開始の許可を得た。本研究課題のコンセプトをまとめ、所属大学・センターの紀要である『言語と文化』第25号に論文として発表した。 2020年度に予定していた対面での研究会(研究代表者の所属部局が実施する授業公開期間に合わせて11月末に集合し,今後の方針を確認する)は、コロナウイルス感染症の拡大により、実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、2020年度に予定していたが実施できなかった「教師対象の聴き取り調査」を実施する。コロナウイルス感染症の拡大状況を踏まえて、Zoomでの実施も考える。また、学習者への聴き取り調査も前期の授業終了後に、適宜、Zoomも使用して実施する。加えて、これまで研究代表者が実施した、大学の初修外国語としてのドイツ語の調査結果をDropboxにアップし内容を共有して、他の5言語(中国語、韓国語、スペイン語、フランス語、外国語としての日本語)およびドイツ語を含めて他大学の状況について意見交換を行う。コロナウイルス感染症の状況が許せば、2022年3月末に、研究代表者の所属大学のセミナーハウス等で、対面での研究会を実施する。 また、研究協力者の森田昌美も、所属大学に「人を対象とする研究上の調査・実験研究計画書」を提出し、研究調査が承認され次第、教師対象の聴き取り調査を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症拡大の影響で所属センターの外国語教育全体のスムーズな運営のために時間を費やしたこと、当初予定していた教員対象の聴き取り調査が実施できなかったこと、加えて、対面での研究会が実施できなかったことにより、研究費の次年度使用額が生じた。 2021年度は、教師対象の聴き取り調査および学習者への聴き取り調査を、適宜、Zoomも使用して実施する。このお礼(図書カード)および文字起こし等に研究費を使用する。コロナウイルス感染症の状況が許せば、2022年3月末に、研究代表者の所属大学のセミナーハウス等で対面での研究会を実施する。この際の参加研究者の旅費やセミナーハウスの宿泊費に、研究費を使用する。
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