2020 Fiscal Year Research-status Report
相互行為能力の育成を目指す言語教育のための日仏対照研究
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20K00885
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
宮永 愛子 山口大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (70707629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Antier Emmanuel 福岡大学, 人文学部, 准教授 (40550190)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日本語教育 / フランス語教育 / 相互行為能力 / 会話教育 / ターン交替 / 対照研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、まず、予備調査として、フランス語を母語とする日本語学習者と、日本語を母語とするフランス留学経験者に、母語話者に交じって会話をする際に難しいと感じる点について、インタビュー調査を行い、分析の観点を絞るための資料とした。 次に、本調査のための会話データを以下のとおり、収録した。(1)日本語母語話者による三者会話、(2)日本語を母語とするフランス語学習者1名とフランス語母語話者2名によるフランス語の三者会話、(3)フランス語を母語とする日本語学習者1名と日本語母語話者2名による日本語の三者会話 当初予定していたフランス語母語話者による三者会話は、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、収録ができていない。そして、収録したデータを、ターンの交替、オーバーラップ、割り込み、音声の引き延ばし、沈黙、笑いなどの非言語情報等も含めて詳細に記述しながら、文字化作業を行った。今後は、この資料をもとに、日本語とフランス語の会話には、相互行為上、それぞれどのような共通点や相違点があるのかということを分析していく。 本データは、日本語を母語とするフランス語学習者、および、フランス語を母語とする日本語学習者にとって、目標言語での会話(特におしゃべり)をする際に、相互行為能力の観点からみて、どのような困難点があるのかを探るための貴重な資料となると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、当初予定していたフランスでの会話データ収録ができない状況が続いている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画は、次の通りである。 (1)データの収集を継続して行う。(2)データの文字化作業。(3)データの分析。 なお、当初予定していたフランス語母語話者の会話データの収録が難しいため、国内において、日本語母語話者の会話データの種類を増やして収集し、2021年度は、日本語母語話者の会話データの分析を中心に進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、当初予定していた、海外での学会参加や、データ収集に行けなかったため、当該年度は、旅費を全く使っていない。また、国内の学会も、すべてオンライン開催となったため、旅費がかからなかった。そのため、次年度使用額が大幅に生じた。 次年度以降、感染状況が改善され、海外出張が可能になれば、使用する計画である。
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