2021 Fiscal Year Research-status Report
即興的英語コミュニケーション能力向上を目指す言語活動プログラムの開発
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20K00888
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Research Institution | University of Niigata Prefecture |
Principal Investigator |
茅野 潤一郎 新潟県立大学, 国際地域学部, 教授 (50413753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 翔 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10821647)
占部 昌蔵 長岡工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (20530447)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 即興性 / スピーキング / リスニング / 英語コミュニケーション能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
英語によるコミュニケーションの重要性が増していることを反映し、新学習指導要領では中学校においても「即興で伝える」ことが目標として設定された。しかし、中学・高校では「練習し暗記した上で話す」活動に終始することが多いのが現状である。卒業後、社会人として、いざ 英語を話さなければならない場面に遭遇した時に、思うように英語が口から出なかったという経験をした人は少なくない。そこで本研究では、即興活動における学習者と教師が抱える諸要因を明らかにし、即興的オーラルコミュニケーション能力を育成するための指導法を探ることを目的とする。 研究2年目の2021年度には、学会での口頭発表を行い、また、論文を公表した。 Chino and Urabe (2019)で提案されたSpoken interaction(話すこと[やり取り])の即興性の定義を再検討した上で、学習指導要領改訂に伴い全面的に刷新された中学校検定教科書の言語活動の即興度について測定し、学習指導要領改訂前の旧教科書のそれと比較した。旧版と比較すると、即興型のやり取りの活動数が1年生の段階から大幅に増加したものの、学年が進むにつれ、やり取りの活動数自体が減少し、その一方で即興度の高い活動が増えたことが明らかになった。また、教師は教科書の各活動の即興度に注意を払い、柔軟に即興度を調整する必要があることを指摘した。 また、e-tandemプログラムを活用した実践研究を行い、比較的少人数で即興的に会話をする機会を提供することにより、スピーキングの成功体験を通して情意面の不安を軽減させ、原稿依存症や即興恐怖症の改善に寄与する可能性があることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大にともなう移動自粛等により、インタビュー調査等の一部のスケジュールを見直す必要があったものの、全体的にはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
・新年度に全面改訂される高等学校検定教科書の分析を行う予定である。 ・話すこと[やり取り]の活動に関して、英語教師を対象とした質的研究を行う予定である。
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Causes of Carryover |
前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止にともなう移動自粛により、学会参加や研究打ち合わせのための旅費の支出が大幅に減ったため。残額は次年度に使用する予定であ る。
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