2022 Fiscal Year Annual Research Report
教育的介入による音韻認知機能の向上が外国語学習能力に与える影響の解明
Project/Area Number |
20K00896
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
杉田 千香子 中央大学, 人文科学研究所, 客員研究員 (30837539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 彰 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (50779626)
印南 洋 中央大学, 理工学部, 教授 (80508747)
内野 駿介 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (80825456)
清水 遥 東北学院大学, 文学部, 准教授 (20646905)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 英語教育 / 音読 / 音韻認識 / 音韻符号化 / リテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、外国語の音韻認知機能と外国語学習能力の心理学的関係性を明らかにし、外国語学習能力を育成するための教育的介入プログラムを開発することである。文字言語の処理に関する認知モデルでは、言語の音韻情報を正確かつ自動的に処理できることが読み書きや聴解といった外国語を学ぶための基礎力の発達に貢献することを予測している。したがって、本研究では、外国語として英語を学ぶ日本人を対象に、(a) 英語の音韻符号化能力がその後の学習成果をどの程度予測するのか、(b) 音韻符号化能力を向上させる音読指導の構成要素は何か、を解明する。これらの検証を通して、外国語学習能力に関わる認知機能の理論的枠組みと、外国語学習能力の成長につながる音読指導プログラムを提案する。 今年度は、次のことを報告する。外国語として英語を学ぶ日本人大学生を対象に音読指導を行い、音韻符号化能力と強く関係する次の4つの音声学的特徴 :(a) 音素 (子音・母音) の読み、(b) 音調・強勢・リズムなどのプロソディ、(c) 意味の区切りでポーズを置くチャンキング、及び、(d) 連結・同化・脱落などの音声変化を中心に、音声学的知識の明示的指導や発音矯正といった「文字の読みの指導」を通して、音韻符号化能力がどのように発達し、外国語学習能力の発達と関わるのかを議論するための実証データを提供することができる。現在は考察と結果を論文にまとめている。
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Research Products
(1 results)