2020 Fiscal Year Research-status Report
Understanding undergraduate students' learning processes in a pre-service EFL teacher education program: Aiming for continuous training from pre-service to in-service teacher education
Project/Area Number |
20K00897
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
栗原 ゆか 東海大学, 清水教養教育センター, 教授 (50514981)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 教師教育 / 教員養成 / 外国語教育 / ヴィゴツキー / 専有 / 質的ケーススタディー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、S.L.ヴィゴツキーの文化的・歴史的発達理論を研究理論の枠組みとし、大学の英語教員養成課程において教員志望者がどういった専門的知識を学び、また学んだ知識や経験を教育実習そして教員採用後を通してどのように自分のものとしようとしているか、その専有の過程について、質的研究より明らかにしようとするものである。文部科学省(2015)は、教員の成長は教職キャリア全体を通じて行われるものであり、大学における教員養成は教員になる時に求められる基礎的な学びを行う時期としている。そして国内・外の教師研究分野において、この初期段階である養成時期に、教員になるためにどのような能力や資質が必要なのかについて盛んに議論している。その一例として、日本の英語教育では教職履修生が目標とする授業力を確認するツールとして使用できるJ-POSTLが存在するであろう。しかし、履修生がこうした専門能力をどのように学び自分のものとして活用しようとしていくのか、その学びのプロセスは明らかになっていない。履修生の学びの過程を解明することは、英語教員養成の課題の明確化、そして文科省が目標とする養成段階から初任段階への効果的かつ継続的な教員育成に貢献できると考える。以上の目的を達成するため、本研究は研究方法として質的ケーススタディー (Merriam & Tisdell, 2016) を用いる。質的研究の信頼性 (Lincoln & Guba, 1985) を高めるため、複数のメソッド(授業参観、インタビュー、リフレクションペーパー)によるデータ収集を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響により本研究の進みに関して大幅な遅れが生じた。研究実施予定と考えている学校において授業が遠隔のみとなったからである。主な研究方法である授業参観が困難となったと共に、教員が新たな授業方法を模索する中、研究参加者としてお願いすることが容易でなかった為である。2021年度前期も研究予定である学校において遠隔授業が継続されている。そのため、遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究実施予定の学校が2020年度~2021年度前期にかけて遠隔授業を実施する中、本研究目的に合致した研究方法を柔軟に考え研究が実施できるよう計画を立て直す予定である。特に2020年度~2021年度前期にかけて行う予定であった授業参観やアンケートは、各参加者に回想記録として書面にて内容を提出してもらうといった方法を考えている。またインタビューに関してはオンライン(例:ZoomやMeet)を通して実施することを考えている。
|
Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響により本研究の実施が困難となり進みが大幅に遅れた。研究実施予定と考えている学校において授業が遠隔のみとなり、主な研究方法である授業参観が困難となった為である。2021年度はこのまま大学において遠隔授業が継続される可能性もある。その場合は、回想記録などにより授業参観の代わりとする、オンラインによるインタビューを実施するなど柔軟に対処する予定である。そのため、コンピューターの購入が必要となる。2021年度後期より研究実施予定である学校にて対面授業が実施された場合は、オンラインと対面両方を利用した柔軟な研究方法を検討する必要がある。対面での授業参観が可能な場合は、旅費が必要となる。質的データの信頼性を高めるため、データ収集をしながら教師教育の専門家とpeer debriefingsを行っていく。そのため、謝金が必要となる。また研究に参加頂く教職課程担当者の教員にも謝礼を支払う必要がある。
|