2022 Fiscal Year Research-status Report
The dawn of the Italo-Japanese relations - Centering on travel journals by Italians exploring inner regions of Japan in the years immediately following the Meiji Restoration
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20K00914
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 幕末・明治期における日伊交流史 / 駐日イタリア公使 / マティルド・サリエ・ド・ラ・トゥール / 日本旅行記 / 書記官ウーゴ・ピサ / 蚕種貿易 / 養蚕視察団 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2021年に刊行した初代イタリア公使ヴィットリオ・サリエ・ド・ラ・トゥール伯爵の妻マティルドが遺した旅行記などの日本側史料について更なる研究を行いながら、マティルドという人物やこの史料の歴史的重要性を国内外に周知させるために、2022年7月に関西イタリア學研究会(ASIKA)において研究発表を行ったり、本年度7月にイタリアで出版される予定の『Fuori dal cono d'ombra』という日伊交流史における女性を中心とした書籍のマティルドに関する章を執筆した。また、2023年3月に、2020年に行う予定だったが新型コロナウイルスの蔓延によって行えなかった埼玉県、群馬県などにあるイタリア公使夫妻の一行が1869年に訪問した場所で、イタリア視察団を案内した者(遠藤しょう平)の末裔遠藤誠氏などに案内していただき、フィールドワーク・資料収集を目的とした旅行を行うことができた。その時に、イタリア公使の一行が訪れた寺院や施設を訪れることができただけでなく、前橋市にある群馬県立文書間などで史料調査を行うことができた。また、東京大学史料編纂所や横浜開港資料館でも日伊交流史や日本外交史を中心とした史料を閲覧することもできた。 次に、1870年から1872年まで日本を含む東アジアに滞在したイタリア公使館の若い書記官ウーゴ・ピサの未刊旅行記の翻刻作業を進めながら、2022年9月にイタリア・ミラノにあるボッコーニ大学を訪れ、ピサに関する史料を閲覧・撮影することができた。 最後に、過去にイタリア、そして日本で集めてきた膨大な量の史料を整理しながら、その内容を分析することによって、最重要な情報を再確認しながら、日伊交流史の黎明期を中心とした学術専門書の執筆活動を続けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの蔓延により2020年度、2021年度中に海外旅行ができなかったため、イタリアなどにおける史料調査は思っていたよりできなかったため。また、大学の業務が増えたため、研究活動に尽力できる時間が減少したため。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、本年度はイタリア公使夫人マティルド・サリエ・ド・ラ・トゥールの旅行記を含む史料についての調査や研究を進める傍ら、その知名度を高め、その価値と歴史的重要性が広く注目されるように、研究発表、講演や刊行物などの活動を続ける。 第二に、ウーゴ・ピサの膨大な旅行記の翻刻作業をつづけ、ミラノで新たに入手した史料も活用しながら、刊行に向けて本文に注釈や解説などをつける予定である。 第三に、今まで国内外で入手した一次資料を再整理しながらその内容を分析し続け、日伊交流史の黎明期を中心とした日本語による学術専門書の執筆活動に尽力する。
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Causes of Carryover |
2020年度、2021年度に新型コロナウイルスの蔓延により、国内・海外旅行を行うことができず、使用予定額を利用できなかった。今年度はまず、史料調査や研究発表のために、2023年9月、或いは2024年3月に海外(イタリア)に渡る予定である。また、同じ目的で、日本国内を旅行するために使用する予定である。更に、本研究と関わる書籍などの購入にも使用したい。
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Research Products
(2 results)