2021 Fiscal Year Research-status Report
Russo/Soviet-Japanese Relations in the First Half of 20 Century: Formation and Changes of the International Order in East Asia
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20K00915
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
シュラトフ ヤロスラブ 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (30726807)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日露関係 / 日ソ関係 / 東アジア国際関係史 / ロシア近現代史 / 日本近現代史 / 地域研究 / 外交史 / 軍事史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ロシア側をはじめとして、未公開史料の調査を重視し、マルチアーカイブ手法を積極的に活用する特徴があります。2021年度、当初は2020年度に予定してロシア側の資料館(AVP RF, RGASPI,RGVA, RGA VMF)における大規模の調査を予定していたが、コロナウィルスの感染拡大により、海外渡航が制限されていました。これらの制限は徐々に緩和され、年度末の2022年2~3月にロシアへの出張が許可されまして、サンクト・ペテルブルクのヨーロッパ大学(European University, St. Petersburg)で研究報告(招待公演)をすることが確定していましたが、ウクライナ情勢の悪化により便が欠航となり、出張並びに講演会もキャンセルを余儀なくされました。 一方、日本国内も、コロナウィルスの感染拡大により、防衛研究所や外務省資料館へのアクセスの制限されていましたが、それらの規制が徐々に緩和されますと、北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターなどを訪問し、可能な限り調査・フィールドワークを実施しました。また、遠隔で学会・研究会に参加し、国際学会において研究発表ができて、英語の出版物も業績に入りました。その他に、来年度以降に刊行される業績(論文)もあります。初年度に続き、主なテーマは、20世紀前半の日露・日ソ関係の大きな枠組みと細かい問題、第二次世界大戦と米ソ・日ソ関係、第二次世界大戦に関する日露両国の集団的記憶、などです。 2021年度に所属先が早稲田大学政治経済学術院に変更されました。今後、これまでの基盤に基づき、可能な限りロシア側史料重点を置きたいが、その他の旧ソ連地域並びに欧米の資料にも視野を広げながら、本研究を更に進展させたいと考えています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、基本的に一次史料に基づき、20世紀前半の日露・日ソ関係の多面的構造を構築する目的としており、とりわけ、未公開史料の調査を重視し、日露両国のみならず、アメリカやヨーロッパなどにおいてフィールドワークを実施し、マルチアーカイブ手法を積極的に活用する特徴があります。ところが、コロナウィルスの感染拡大とウクライナ情勢により、ロシアをはじめとして、海外での資料調査が不可能となり、予定されていた研究会がキャンセル・延期され、影響が出ています。 以上のように、コロナ禍とウクライナ情勢は本研究の大きな妨げになりました。しかしながら、日本国内における調査を可能な限り実行し、国会図書館や北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターなどで資料・文献調査を行い、一部のフィールドワークも実施しています。これにより、厳しい環境でありながら、ある種の研究発表ができた次第です。ロシア側の一次史料(未公開史料)の調査は困難でしたが、コロナウィルス感染による制限が解除され、海外出張が可能になり、本研究は順調に進展できると確信しています。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウィルスの感染状況並びにウクライナをめぐる情勢によりますが、海外出張などの規制が解除され次第、これまで遅れが生じた資料調査を積極的に実施し、日本国内外の学会・研究会に参加する予定です。 差し当たり、ウクライナをめぐる情勢は不透明である状況において、2022年夏季に欧州と旧ソ連の地域(ジョージアなど)を想定して、資料調査・フィールドワークを実施する予定です。また、ロシアへの渡航が可能であれば、モスクワの資料館(AVP RF, RGASPI, RGVA)で調査したい予定です。また、年度末にはサンクト・ペテルブルクの史料館、特にロシア国立海軍史料館(RGA VMF)で陸海軍幹部の文書群を分析する予定です。 また、後期にはアメリカの学会にも参加し、可能な限り、アジアにおける資料調査・フィールドワークを実施する予定です。グローバルな舞台の研究の最前線に立つ専門家と連携を深め、ロシア帝国帝国首脳部の対日認識を再検証し、ソ連中央機関(政治局・外務人民委員部・軍部)の対日・東アジア政策の戦略概念を明らかにしつつ、可能な限り、地方から見た日露・日ソ関係の動向を考察したいと考えています。
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Causes of Carryover |
本研究は、専ら一次史料に基づき、20世紀前半の日露・日ソ関係の多面的構造を構築する目的としており、とりわけ、未公開史料の調査を重視し、日露両国のみならず、アメリカなどにおいてフィールドワークを実施し、マルチアーカイブ手法を積極的に活用する特徴があります。ところが、コロナウィルスの感染拡大に より、海外出張が全くできない状況になり、ロシアをはじめとして、海外での資料調査が不可能となりました。また、日本国内も、コロナウィルスの感染により防衛研究所や外務省資料館へのアクセスが制限されていました。さらに、2022年2月末に激化したウクライナ情勢の影響により、既に確定していた海外出張(資料調査と研究報告)が急遽キャンセルされました。 このように、コロナウィルス感染に加え、ウクライナ情勢による悪影響が加わり、当初予定されていた海外・国内出張ができなくなり、次年度使用額が生じた次第ですが、次年度には国内出張の規制が完全に解除される見込みであり、更に海外出張も可能になると考えられますので、これまで遅れが生じた海外資料調査を積極的に実施し、日本国内外の学会・研究会に参加する予定です。
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