2023 Fiscal Year Annual Research Report
前近代エジプト農村社会の長期持続構造と環境・社会変動へのレジリエンス
Project/Area Number |
20K00918
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
高橋 亮介 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (10708647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀谷 学 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (00586159)
熊倉 和歌子 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (80613570)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エジプト / 農村 / 文書行政 / 環境史 / 社会経済史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、前近代エジプト農村部における農業・水利実践と行政の実態を再構成すること、さらに環境的・社会経済的な変動に対して農村社会や国家の諸制度がどのように反応したかを検討することである。本研究の最終年度にあたる2023年度は研究計画に則り、変動期の状況について研究代表者と分担者が研究を進め、課題全体の総括を行った。 具体的な成果は以下の通りである。研究代表者の高橋は4世紀の状況の分析を進め、中エジプトの村落に関する地誌学的研究を学術論文として発表し、同じく中エジプトにおける土地所有のあり方が、同時期に生じた北部のファイユーム地方の耕地減少と結びついている可能性を指摘する学会発表を行った。研究分担者の亀谷は会計文書の書式についての分析を進め、熊倉は14世紀末の変動期についてエジプト以外の状況も視野に入れて学会報告を行ったほか、中世のナイルデルタ西部に関する論考を発表し、比較史的展望をもち中世エジプトの特徴的な土地所有制度であるイクター制を概観する発表を行った。 1月には研究の総括として、これまでの成果と課題を共有し、今後の研究の方向性を考えるべく、研究代表者・分担者に加え、ヘレニズム・ローマ時代エジプトの専門家アンドリュー・コナー氏(オーストラリア・モナシュ大学)を招聘し、国内の前近代エジプト史研究者を交えた国際ワークショップ(Round Table: Religion, Economy, and Imperial Power in Premodern Egypt and Beyond)を開催した。
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Research Products
(11 results)
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[Book] The Nile Delta Histories from Antiquity to the Modern Period2024
Author(s)
Katherine Blouin, Frederic Guyot, Claire Somaglino, Robert Schiestl, Marie-Francoise Boussac, Berangere Redon, Damien Agut-Labordere, Sylvain Dhennin, Ramez Boutros, Isabelle Hairy, Sobhi Bourderbala, Heba Mostafa, Ben Outhwaite, Wakako Kumamura, Lucile Haguet, Rachel Mairs, Heba Abd el Gawad, Mona Abaz
Total Pages
676
Publisher
Cambridge University Press
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