2021 Fiscal Year Research-status Report
Historical Ethnography on Slavery in the Early 20th Century Persian Gulf
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20K00929
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
鈴木 英明 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 准教授 (80626317)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 奴隷 / インド洋西海域世界 / 隷属 / 真珠 / 世界商品 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績は以下の通りである。 3本の口頭報告を行った。まず、5月23日には「『20世紀前半のペルシア湾における真珠採取業と拘束の諸相』」と題する報告を「奴隷と隷属の世界史」2021年度第1回研究会で行い、5月24日には"Who were “Northern Arabs”?: Appearance in various encounters in the 19th Century Western Indian Ocean"と題する報告を Source Discussion: Terms in Circulation and Categories at Work, 1600-1930と題された国際オンライン会議で報告した。11月7日には2021年度東洋史研究会大会で「20世紀前半ペルシア湾の真珠採取業と二重の拘束――奴隷制と負債」と題する報告を行った。雑誌論文としては、『オリエント』63(2)に「忖度する帝国――20世紀前半のペルシア湾地域におけるイギリス非公式帝国と奴隷解放証明書の交付」と題した論文が掲載された。また、Oxford Encyclopedia of African Historyに"The Suppression of the Transoceanic Slave Trade"と題する論文が掲載された。このほかに3本の書評論文が掲載された。また、吉沢誠一郎監修『論点・東洋史――アジア・アフリカへの問い158』ミネルヴァ書房、Shigaru Akita et al. (ed.) Changing Dynamics and Mechanisms of Maritime Asia in Comparative Perspectives (Springer)に寄稿をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、引き続き海外調査ができなかったが、その分、手持ちの資料の分析と成果報告にエフォートを振り分けることで、予定していたよりも多くの成果を公表できた。口頭報告などでは、次年度以降の課題を得ることができ、全体的に見れば、「(2)おおむね順調に進展している」と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
この2年間海外調査が実施できなかったものの、デジタルデータで入手可能なものを収集したり、現地に赴かなければ入手できない資料に関する情報も十分に整理することができたので、まずは資料収集を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
本年度は、予定されていた国際学会や海外資料調査が実施できなかったために、それらを繰り越した。国際学会については、次年度に延期されたものがあり、それに費用を当てる。また、海外資料調査もこれを実施する。
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Research Products
(9 results)