2022 Fiscal Year Research-status Report
Historical Ethnography on Slavery in the Early 20th Century Persian Gulf
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20K00929
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
鈴木 英明 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 准教授 (80626317)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 奴隷交易 / ペルシア湾 / 労働史 / 奴隷制 / 奴隷廃止 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、5月、日本アフリカ学会第59回大会において、「ザンジバルのもう一つのコスモポリタン―奴隷交易とシャンバ」を報告し、6月、8th IMHA International Congress of Maritime History(ポルト、ポルトガル)において、"Maritime territoriality in the Nineteenth Century Indian and the Pacific Oceans"と題するセッションをオーガナイズし、"Modernity in Maritime Territoriality: Introduction"と題する報告を行った。また、6月には大阪大学歴史教育研究会第144回例会において「インド洋西海域の奴隷交易廃絶活動再考―トランスインペリアル・ヒストリーの観点から―」を報告し、7月に19th World Economic History Congress(パリ、フランス)で"Connecting resources: commodities and trade goods in the shaping of early modern Atlantic economy"と題するセッションにおいてコメントを行った。8月には2022年度第1回「近現代における「不自由な」労働者を再考する―18-20世紀の英国・英帝国を中心に」研究会で、「奴隷廃止の世界史から『不自由な』労働者を再考する」を報告した。これらの活動によって、本研究テーマをより多角的に捉える視座を獲得できた。 また、永原陽子編『アフリカ諸地域 ~20世紀』(岩波講座世界歴史)に「沿岸部スワヒリ世界の形成と展開」を寄稿した。加えて、「20世紀前半ペルシア湾における「アフリカ人」とは誰か―奴隷解放調書に見られる奇妙な隔たりを手掛かりに―」『上智アジア学』40(2022):49-69が掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は研究計画の折り返し地点にあたり、主として口頭による報告が研究業績として挙がった。それらについては、当該テーマをより広い文脈の中で位置づける大きな示唆を得た。それらも踏まえながら執筆した幾つかの論文については、本年度に刊行されたもののほか、現在、審査を待ったり、印刷中である。以上を踏まえると、進捗状況については、(2)おおむね順調に進展しているに該当すると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降については、当初の計画に則って研究を実施する。
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Causes of Carryover |
本研究は海外での資料調査が必須であり、その成果発表についても国内はもとより海外でも報告することを計画している。しかし、2020年度以降、昨年度後半になるまでコロナ禍で渡航できなかった。そのために次年度使用額が生じた。次年度使用額は当初予定通り、資料調査や成果公開を目的とした渡航費用に用いる予定である。
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Research Products
(12 results)